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2010/07/20

アリエッティ!

一昨日ジブリの新作「借りぐらしのアリエッティ」を観に行った。なんとわたくし家具職人は、今丁度ドールハウス(ひな人形棚)を製作している最中なので、びっくりもびっくり。こんなタイムリーな話、有りえるッティ???

2010/07/10

引いてもだめなら押してみな

日本の鉋や鋸は引いて使うが、西洋のものは押して使う。今作っている小品のブックボックス。5枚組継の面地を鉋で払うのですが、組み上がってからの鉋がけは結構難しい。一部ガタガタっとうまくいかなくなると、腕も疲れてくるしなかなか傷がとれない。そこで「引いてもだめなら押してみな」で削ってみると、するするとうまくいくことが多い。押すと引くとでは使う筋肉も全然違うので、ちょっと心地良い。西洋のクラフトマンの気持ちがわかったような。また疲れたら・・・押してもダメならひいてみな。

2010/05/20

片袖机進捗


今片袖机を製作しています。デザインの違ったものを1台ずつ。それぞれ予備も合わせて計4台分。材はナラとクルミ。仕口は共通なところもあるので、いっしょに加工できるところは工夫してと思ってトライしています。片袖なので、左右の仕口が違い、また前後も違っていますので、かなり複雑です。その分、創意工夫のやりがいもあるわけです。加工した部材を並べて見ると、ん・・・やっぱりややこしいなという感じ。でもここまでくれば、あとは仕上げて組み立てて・・・なんですけれど。さーてがんばるか。

2009/11/26

ミズナラ柾目の共木の天板

一本の同じ丸太から製材した板どうしを「共木」(ともぎ)といいます。共木で作った天板は、おのずから風格が備わります。今ミズナラのコタツテーブルを作っています。1050の丸で柾目板共木4枚はぎハイグレード仕様です。今回に作品は特に感動的です。4枚とも個性的で、色合いといいトラフの模様といい、これが同じ共木?というような個性の爆発です。おとなしいクルミなどの場合は、ほんとにやさしい優雅な作品になることが多いのに対して、ミズナラならではの面白さでしょう。
丸型の場合は外側の2枚は長さが少し短くてもいいのでそこんところも貴重な共木を有効に使う大事なポイントです。真ん中の2枚は幅が30センチを超える幅の板を使いましたが、この一枚でなんと樹齢260年をカウントしています。ぱっと見ると、トラフの模様が一筆書きのように見えますが、100年も200年もかかってできている模様なのです、改めて、そういう点でもミズナラ柾目の面白さを発見したのでした。

さて
ジグソーで大体の丸にカットします。この後ルーターできれいな円形にして、両面を鉋仕上げしていきます。

ちなみに原板の写真です。原木で直径が90センチ程度あったのも柾目木取りした板です。年輪を数えると350年くらいはありそうで途中でため息がでます。

2009/10/07

ドミノって?さすがドイツ。

端ばめの天板が完成したので、脚を作っています。棚にもなる「棚脚」タイプです。板を組んでいくのですが、これまでアリ組みでやったり、通常のホゾでつくったりしてきましたが、今回は一部にドミノを用いました。ドミノってあのドミノです。ダボの形がドミノのように平べったいのでそこから名前がきているようです。ドリルの先が左右に動いて写真のような扁平な穴を開けることができる。使い勝手をいろいろ考えてあり非常に良くできている。さすがにドイツ。やるなあという感じ。ハンディタイプの電動工具としては目玉が飛び出るほど高いのですが、これはおもしろそうと迷わず購入した。「苦しいときのドミノ頼み」ほんとに頼りになる画期的な工具です。開けた穴とドミノダボの密着性がかなり気持ちいい。ボンドを併用するので、かなり強力なホゾができる。精度的には従来のスミツケしてホゾ穴を開けての方が、まだ安心で早い場合も多いのですが、だいぶ使い慣れてきたので、今ではなくてはならない存在。今回のように内寸をびったり決めたい場合にドミノを使う時は、写真のようにフェンスなど治具をつくり、そこからの寸法を左右も含めて正確に決めるのには結構気を使うのですが、このフェンスを固定するのに大活躍なのがBESSEYのクランプ。こちらもドイツ製。悔しいくらいに使い良い。ワンタッチでハンドルで閉められるので、材がずれにくい。従来型のねじ式のタイプは最後にぎゅっと力をいれるとずれることがあり、精度がいる場合は結構しんどい。試しに2つばかり購入してもう1年くらい経つかな?使用頻度が非常に高い。さらにいろんなサイズのものが欲しいところですが、普通のクランプやハタガネもたくさん持っているので、全部ヨーロッパかぶれになるわけにはいかないの?でそこはちょっと我慢している。

2009/10/03

アリ型端ばめ・・・木工の醍醐味

クルミで1800×900サイズの座卓兼用テーブルを作っています。天板は下側に「吸い付き桟」をつける方法ではなくて、「端ばめ」工法でフルフラットにして脚を置く位置の自由度や両面使いができる天板にしました。「端ばめ」は天板の反りを防ぐために天板と直角方向に板をはめ込む方法で、いくつかやり方がありますが、いずれも加工に手間がかかり、どの方法にしようかと迷います。今回は天板が目標より気持ち厚く40ミリに仕上がったこともあり、アリ型端ばめに久しぶりに挑戦しました。アリ型ほぞのオスとメスに同じ勾配をつけて、叩き込んでいくほどに締まっていくというのが理想です。接着剤は端っこだけ使って板が乾燥していくうちに締まっていくというのもあこがれますが、きつすぎず、ゆるすぎず、且つ目地が出ないように仕込めるかどうかがポイントになります。まずは天板側のオスのアリ加工が勝負で、ここで失敗すると辛いものがあります。フェリザッティのルータのおかげでなんとかうまくいきました。微調整がし易いのと、静粛性が緊張をほぐしてくれました。端ばめの方は、もし失敗しても材料的には余裕があるので気持ち安心です。失敗してもカットできるように広い幅のものを用意して挑みましたが、なんどか調整してうまくいってしまいました。幅をカットするのももったいないので、結局、長さは1900弱と余裕で、耳つきもそのまま使った仕上げました。
さて我が家のチェリーの座卓兼用テーブルも厚みが40ミリでアリ型端ばめです。12、3年間、使っていますが今のところびくともしていませんが、15、6年前に作ったコタツテーブルのアリ型端ばめの天板。こちらは緩んで一部割れてしまいました。(涙)厚みが30ミリ程度だとアリ型はきついかな?やや柔らかめのクルミだったからかな?加工精度が良くなかったのか?そもそものオスとメスの位置はどちらがいいの?などいろいろ考えさせられました。加工のし易さや原板の状態にも左右され一概には言えないとはおもいますが、現在コタツテーブルの天板の端ばめは「本ざね」と「ドミノジョイント」を併用した方法を考案してその方が安心なのですが、でもやっぱり「アリ型」はなんともかっこよく木工の醍醐味・・加工は難しいけれど、材材的には短い板で長い天板が作れるので有利なこともあり、便利な道具たちに感謝しながら今後もトライしていこうと思います。

2009/09/11

一本脚の丸テーブル

今、一本脚の丸テーブルを作っている。天板の大きさ1300で結構大きい。材は渋めのクルミでどっしりとした感じでということで、支柱の脚に4寸(120ミリ)に製材したとっておきの太い材を使った。写真のように、下脚を十字にクロスさせてその上から脚はめ込んでいく、それぞれどのようにほぞをカットすればよいか、いろいろ考えてこのようにした。仮組みしたいけれど、外れない可能性もあるので、じっくり仕口を整えて、一発勝負で組み立てた。ばっちりうまくいった。うれしかった。

2009/05/15

サクラ3兄弟

明日東京方面に机の配達で出かけます。今回は3軒ですが、たまたま、樹種は全部サクラで定番デザイン3つのタイプの揃い踏みとなりました。で今朝記念撮影しました。左から
・片袖机(幅1100-奥行680-高さ720)
・シンプルデスクDD(幅1000-奥行670-高さ720)
・シンプルデスクSD(幅1200-奥行700-高さ700)
同じサクラでも丸太が違うので色合い風合いなど皆微妙に違います。(いずれもHG仕様です)
それぞれに良さがあり、感動のひと時にご満悦の私です。

2009/04/17

一枚板との格闘技

手持ちの機械にかからない幅の広い一枚板(60センチ以上)を平らに仕上げるはどうしても手鉋(電動の手鉋も含めて)による手作業になります。木工作業の中でも、「板と格闘している」という醍醐味があり、やり甲斐はあるのですが、かなり体力が要るので、さあやるぞという覚悟が必要です。もっと大きな機械設備のあるところにお願いする方法もありますが、費用も時間もそれなりにかかってしまいます。最近はなにかと機械に頼ることも多くなり、少し体も鈍っていたので、このメープルの一枚板は久しぶりに格闘してみようとずっと楽しみにしていました。昨年末から鉋で少し削っていましたが、予想どおり、反りがあまりにも大きく、なかなか手ごわいので、「手持ルーターを使ったプレーナー治具」を作りました。乾燥で反ったり捩れたりした板をまず、ざっと平面にできたらいいなと、これも前から考えていたやりたいことの一つで今回思い切って作ってみました。板を取り囲む大きなしっかりした枠の中に固定して、その上にハンドルーターをXY方向に移動させて、平面を出していく。枠や天板の安定性、ルーターのぶれなど、精度がどこまで保てるかがポイントであることは予想されましたが、私の性格上、まあ最後は手鉋で仕上げるのでそこそこでなんとなるやろということで、とりあえずこんな形でやってみました。まずは大きなダメージもなくなんとかうまくいきました。
最後の手鉋仕上げ。ちょっとしたルーターの目地を払うのにやはり結構苦労はしましたが、今回はそこは半分楽しみで。実は一枚板の鉋仕上げは久しぶりだったので、腕、胸筋、腹筋 背筋、太ももまで結構きました。毎日作業としてこれをやれといわれると、歯がガタガタになりそうでうすけど。考え方を変えてみますと、お金を払ってエクササイズに通うよりは、実利を兼ねた素晴らしい仕事だと。ですが・・・実は今日から週一でヨーガ教室に通いだしました。きっとすがすがしい気持ちで鉋がけができるのでは?。呼吸を整えて鉋がけ。削るごとにきれいになっていくメープルの一枚板に触れながら、ちょっとご満悦な私でした。

2008/11/27

キハダの香り


秋に乾燥が上がったキハダ(黄檗)を使って、和室に置くキャビネットを作っている。キハダを使うのは初めてで、どんな感じに仕上がるのか、とても楽しみ。重くないのに、以外にしっかりとしている。削りやすく、きれいな杢も所々出て、仕上がりもやさしく、とてもいい感じ。木肌を鉋で削ってみると、甘いとろけるような香りがする。樹皮の黄色いところは最高に苦いのに、このギャップがまたいい感じ。すっかりキハダ、木肌、着肌??に魅せられてしまっている今日この頃。

2008/06/08

抽斗24。


信州木工会の目玉作品はなんといっても抽斗24。いろんな作者がそれぞれに個性的な抽斗を作って、一人の作者が合計24の抽斗を一つの作品にまとめる。僕も今回久振りに一つ抽斗を出品する。びー玉が引き出しの中を入って出て、ループを転がって、スポッと落ちる。ずーと前から構想はあったのだが、漸く今回挑戦した。案の定、微妙な調整に大変てこずった。転がりすぎると、飛び出すし、削りすぎると、転がらないし・・・なんとか丸一日かかって絶妙な状態で完成させた。レールに削り跡いっぱいの苦労の跡が残ってしまいましたが、楽しく遊べるのでお許しを。何度転がしても飽きない。我が家の子供たちも大うけ。創意工夫して遊んでくれるのはさすが、びーころっ子。来週から始まる「創立30周年記念・信州木工会作品展」 で出展されますので是非見に来てください。
6月18日(水)~6月22日(日) 場所:松本市美術館2F市民ギャラリーA・B(長野県)

2007/10/05

近況


大変ご無沙汰しております。
納期のお約束が守れない仕事がいろいろあり、そんななかブログに向かうのも申し訳ないとおもい、土日も休みも無く、朝から晩まで制作に没頭しておりました。ハイ。

春にご注文いただいた片袖机が、ようやく完成しました。大変お待たせしてしまっているのがチェリーのライティングビューロのKさんとSさん。すみませ~ん。もう一年近くになってしまいますね。材料は木取りして確保してあるのですが・・・。お仏壇のYさんもう2年になってしまいますね。すみませ~ん。夏休みに、お盆までにと思って制作始めているのですが・・・年内には。ダイニングテーブルのMさんとKさん。少しずつ進めていますよ。サクラのワークデスクのAさんとYさん。天板は毎日眺めています。シンプルデスクのMさんと、Oさん。本棚のNさん、Kさん。木取りはすすめています。材料選びに時間をかけています。どこをどうカットするか。どの板を使うか。じっくり取り組んでいるということでお許しください。ということで今はクルミのベッド2台。製作奮闘中です。

2007/06/25

庭かスタジオ2


この時期は、曇りの天気をねらって庭で撮影するほうが白幕を張るより楽チン。
緑が生き生きとして優しく家具を包んでくれます。
デジカメ全盛時代になってしまいましたが、我が家はデジカメ一眼レフにはまだ手がとどかず・・・といいますか、子供たちには、せっかくある銀塩の一眼レフカメラを使って、基本を掴んで欲しいと願っています。この写真の彼は次男で、今日は、絞りと被写体深度とボケ具合・・・を学んでいます? この写真を撮ったのは長男で、こちらはデジカメです。こうしてすぐにHPに載せられて便利なんだよな。



といいながらさりげなく?テーブルを自慢したい私。このブラックウォールナットのブックマッチ。丸太でストックしているからこそできる自信作。ただ、もうこれっきりです。いつこんな丸太に出会えるか。ご希望がありましたら、3年くらい待っていただけるなら、ご相談くださいませ。

2007/03/04

庭かスタジオ


完成した家具を納品前に写真撮影するのも大切な仕事。昔は工房の庭での撮影が多かったが、栗田の自宅は立派な庭すぎて僕の家具にあわない。それで展示室中にロール紙を垂らしてなんとか撮影してきたけれど、光源の問題や、なんせ狭いので、家具の大きさにも制限があった。そこで庭の軒先からロール紙を垂らして撮ったらどうかと提案したが、外に出しっぱなしではロール紙が焼けるだの、痛むだの「もったいない家族」の反対にあっていた。ええやんけ、使ってなんぼのもんや。そのためにぐるぐる巻いてあるんや。と反対を押し切り、一人寂しく設置してみた。すると、思ったより、大丈夫そうで、結局「結構いいじゃん」ということに。しかし確かに、一回の撮影で、紙が少し破れた。下にもう少ししっかりしたものをひかないとね。
※スタジオ貸します。なにか撮りたいものがありましたらどうぞ。ただし曇天の風の穏やかな日中に限ります。

2006/12/26

棚箱



我が家にはまだ仏壇がない。大阪の実家にも無かったのでどうもそういう習慣がない。父はちょっと変わっていて、とにかく議論好きで理屈好きで、私が純真な若者であったころ「そんなんへ理屈や」とよく反論したものだ。父は無宗教でなく脱宗教でいくといっていたが、晩年は般若心経を研究していて、仏教的な考えには惹かれていたとおもう。あれはまだ私が家具屋になる前のことだったと思うが、父が、「いわゆる仏壇は要らないが、想い出を飾る「メモリアルボックス」ようなものが欲しいといってたのが、とても印象に残っていて、家具屋になってから、なんとなくデザインを考えたりはしていた・・・でも実際に製作するのがこんなに早く来てしまうとは・・・・
母が、突然亡くなって、気を落としていた父に「メモリアルボックス。作るね。希望があったら言ってね」といってあった。梅雨のころ、父から一通の封書が来た。なんだろうと開けてみると、折り込み広告の裏紙に鉛筆でのラフスケッチがあった。「棚箱」と書いてあった。私は、「メモリアルボックス」より「メモリアルキャビネット」にしたほうがかっこいいかな、なんて思っていたので、漢字の名前は返って新鮮であった。あえて仏壇とかいていなかったのは、まだこだわりがあるのだろう。このタイプは確かに仏壇ではなくみかけ厨子というタイプのようだが、父の図面では、たしかに、単なる棚板がある棚なのだ。