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2022/02/13

オイルフィニッシュの話1

 ここ2年間ブログの更新が全くできていない。ツイッターの方が気軽で究極の「写真と川柳」で簡潔に完結がという楽しみもあり、またフォロワー方々の反応の励みもある。内容的には、少しでも、読んで頂いた方に参考になればという結構熱い想いで書いているのですが、やはりツイッターはどんどん流れていき、消えていくので、やはり技術的な話題は、ブログの方でまとめたいなあ~と常々思っております。今年こそ!の目標の一つに「ブログの再開」をあげたので、頑張りたいとおもいます。

先日ツイッターで塗料の話を少し載せました。


「30年前に木工を始めた頃は、オイルフィニッシュといえばワトコオイルだった。それからドイツ製のオスモやリボスなど天然系がでてきて、最近は国産のエシャのクラフトオイルもある。種類有りすぎて、選択が悩ましい。リボスオイルが値上げするというので、ついでにエシャの速乾性のオイルも買ってみた。」

オイルフィニッシュをする皆さんはきっとそれぞれ悩みを持たれていると思うので、私の考えや感想をまとめて、少しでも参考になれば、また皆さんからのアドバイスもいただければとおもいます。どうぞよろしくお願いします。

それぞれの塗料メーカーは、当然自社のオイルのメリットを中心に説明するのですが、使う方からするとA社とB社とどちらがいいの?どう違うの?も知りたいのです。でもそういう比較知見はあまりありません。なかなかケースバイケースで比較は難しいところがあるかなとはおもいますが、これまでの経験からきちっと比較検討したわけではないのですが、なんとなくというイメージですが少しまとめてみたいとおもいます。

ワトコ・・・ナチュラル
リボス・・・アルドボス・クノス・ビボス
プラネットカラー・・・グロスクリアー、ベーシッククリアー
オスモ・・・エキストラクリアー・ノーマルクリアー・ウッドプロテクト
エシャ・・・クラフトオイル・クイックオイル・ワックスオイル

その他ウレタンオイルのオリオ2とガラス塗料も絡めたい。

今日はこの辺で・・・・

2013/02/28

オイルかウレタンか

先日信州木工会主催でウレタン塗料の講習会があったので参加しました。

☆一つは寿化工のプレポリマー(木固めエース)。文化財の修復や木製の食器などに広くつかわれているウレタン系塗料。
☆もう一つはキャピタルペイント社のオリオ2。オイル仕上げに近い風合いのウレタン系塗料。(写真はキャピタルペイントの長澤さんの実演)

私は、これまでほとんどの作品はいわゆる自然系のオイルで仕上げてきましたが、オイル仕上げにするかウレタンにするかは、いろんな視点で考える必要があると常々思っています。

扱いやすさ・・・塗装する私の側としては、直接手に触れられる自然オイルの方が断然安心で、お客さんも自然オイルを希望する方が多いので、迷わずオイルということになっています。ウレタン系はポリウレタンを形成するイソシアネートの反応性が高く、匂いもきつく、あまり使いたくないという面があります。しかし、乾き易さという点ではウレタン系にメリットがあります。乾くと匂いは全くなくなります。一方オイルは乾くのに時間がかかり、匂いが微妙に長く残ることもあります。納品時に「あーいい木の匂い!」といわれることが多いのですが、実は大抵はオイルの匂いのことが多いのです・・・・

安全性・・・一旦形成したウレタン自体には安全性の問題は全くないので、家具を使われるお客様にとっての安全性という視点では両者に差がないと考えていいとおもいます。・・・ppmオーダーの残留物が影響するのでは?という不安はウレタン塗料でも自然オイルでもどちらにしても絶えず残るかもしれませんが・・・我々の無垢の家具の塗装でそこまで気にするのは、ちょっと考えすぎでしょうか。

仕上がりの風合い・・・ウレタンの方が自然でないという印象があるかと思います。確かにそれは大事な視点で、いわゆる厚く塗膜を形成するタイプのウレタン塗装はもちろん考えていません。「オリオ2」は天然のオイル(ひまし油・不乾性油)にイソシアネートを加えてウレタンにするこだわりの優れもので、ぱっと見の仕上がり具合は、オイル仕上げと差がありません。もちろん塗り重ねますとうっすらと塗膜を形成していきます。オイル仕上げもオイルサンディングしたり、なんども塗り重ねますと塗膜っぽくなってきますので、オイルかウレタンという差ではなく、塗り方でも大きく影響されます。

汚れやすさ、メンテナンス・・・ウレタンの方が断然シミは付き難いのですが、全然つかないわけではありません。ウレタンはメンテナンスフリーといっていますが、どうでしょうか?むしろお客様サイドでウレタン塗料を塗ることは、まず無理ですので、そのレベルでは、メンテナンス不可?という視点もあるかとおもいます。日常のお手入れと言うレベルでは、通常のオイルと同様のメンテ(もちろんウレタン仕上げの方が楽ですが)で良いと思います。

 シミがついてどんどん味が出てくるオイルが好みか。或いはいずれ使い込んだ味はそれなりにでてくるが、日頃シミは気にせずに使えるウレタンがいいかということでしょうか。

濡れ色の変化・・・・オイルでは時間が経つにつれて色が深まっていくことが多いですが、オリオ2は深まりにくいというとい特徴が有り、この差は大事な視点だと思います。

結局・・・
★シミ等は気にせずにまたどんどん色合いが深まって楽しみを味わう場合は・・・自然系オイル
★シミは付き難い方が良い。色も深まらない方が良い。でもオイルに近い自然な感じでという場合は・・・・オリオ2でしょうか。
なお、オリオ2は通称ウレタンオイルとも言われていますので、これで仕上げればウレタンだけれどオイル仕上げ?ということになります。気持ちはわかりますが・・・返って話はややこしくなってしまうような?








2012/08/10

野さらし仕上げ

最近は野ざらしで使うことも少なくなったが、食事やちょっとした作業に基本的に全く無造作にガンガン使っているこのテーブル。材はイタヤカエデ。削りっぱなしの無塗装で使ってもう15年以上になる。白いカエデもこんなに黒くなってしまう。
 立秋を過ぎて、気持ち暑さも和らいだが、工房の中よりも、外の日陰の方が涼しく気持ちいい。今椅子を久しぶりに10脚ほど製作中で、面取りとかサンダーがけとか鳥の声を聞きながら、外作業で楽しんでいる。背板に塗った余ったオイルの布でテーブルを拭いて見たところ、汚くなった天板にいい感じで杢が現れた。古代仕上げというほど古代でもないし、アンティーク仕上げというにはそれ以上に汚いし、野ざらしではちょっとかわいそうな感じなので、「野さらし」仕上げはどうでしょうか。