2016/10/02

ドミノジョイントの応用

ドミノジョイントカッターを使うようになって、8年ほどになります。もうこれ無しでは生きて行けません!作品毎に、どこで使えるかな?と考えます。やっぱり通常のほぞ組の方が良かっり、ドミノとほぞの併用が良かったり、試行錯誤の繰り返しで、私なりの使い方もいくつか決まってきました。今回の「斜め脚」構造のテーブルの脚の組み立てでは、ドミノで大いに助けてもらっているの記録しておきます。

下の写真は、テーブルの天板を裏側にして、脚の部材を配置しているところです。 「斜め脚」とは、脚を45度傾けて、脚と脚を繋ぐ「幕板」を45度にカットして繋ぐ構造の自称名です。










斜め脚構造に対して、普通の角脚の場合は、幕板が直角に接合するので、ほぞ組にすることが多いですが、45度(留めといいます)で接合するほぞ組は結構難しく、特に、長手の幕板を繋ぐ「補強材」を付ける場合は補強材の長さを内寸ピッタリにしないと、留めもピッタリつかないので、かなりの精度が要求されます。

設計上の内寸は計算で出るのですが、実際の現物は、其のときの事情で、微妙に厚みなどサイズが変わってきますので、そこは微調整しながらの現物合わせとなります。天板の出っ張り具合は設計どうりにしたいので、幕板の長さはぴったりで且つ、頑丈さ優先で脚との隙間が無いことが求められます。今回はテーブル長さが2100と長いので、部材も、短すぎたから、代替のものでと言うかわけにはなかなかいきませんし、特に慎重に準備しました。

実際には少しずつ削って合わせていきますが、このドミノシステムは、「イモ状態 」(胴付き面ピッタリ)でいいので、実際にカットした部材をそのまま仮組みして、状況を判断できるのが何と言っても助かるのです。通常のほぞ組だと、仮組みをすることは難しいことが多いし、その微調整はその判断が難しいことと、もし短すぎたりした場合に、作り直しする場合はちょっとため息がでます。


今回、吸い付き桟は3本で、脚の補強材にピッタリ寄り添ってはまるようにその精度もこだわりましたが、この吸い付き桟を仕込む前に、補強材の最適長さを決める、予備材として使います。吸い付き桟のキツさ調整が確認できたら長さをカットします。最終的には補強材よりも数ミリ短くしますが、そのときに、最適な補強材の長さとしてカットして様子をみるのです。ここで仮組み状態で最適長さを確認できると、かなり安心です。
今回は結果的に吸い付き桟もしっかり入り、留めの角度と補強材の長さもバッチリに調整できました。

いよいよ ドミノジョイントカッターの登場です。ドミノのサイズと穴あけの位置。これまた大変悩むところです。留めの部分は、幕板に突き抜けぬように、脚にダメージが少ない様に注意が必要です。(過去になんどが失敗していますので)今回は、縦に厚み10ミリ長さ50、横に厚み5ミリ長さ30ミリを使います。また厚み5ミリの脚の穴は横に広げる(中)を使います。

ボンドは留めの穴は一液性ウレタンボンド(オーシカダイン)を塗っておき、ドミノや胴付きは白ボンドで併用します。

組み立ては、一気に組むと、ドミノが入らないこともありますので、少しずつ入れていきます。若干の遊びがあるところが、ポイントだと思います。遊びが有りすぎると、ほぞとしても効果が心配になりますが、通常のホゾだと、こういう組み立ては非常に難しいことになります。


胴付きの密着が確認できたら、クランプをはずし、天板から外して、正常位で立てて、さらに隙間や、メチなど無いようにクランプで締めて調整します。
精度良く密着して、しっかりボンドが効いてくれたらまず安心です。あまり締めすぎると、反対側がずれたり、全体のバランスが大事です。一晩たったら、少しずれていたということもしばしばです。

乾いたらコーナーを念のために補強して完成です!朝が楽しみにです!

ドミノサマサマです。