2014/12/29

年輪と人生

一年経つのが早くなった。みんなそういう。
子供のころ、一年が長かったのは、毎日新しい刺激に遊び暮れていたので充実していたから?
いやいや忙しいのは今のほうが、完璧に忙しい。
やること山ほどで追われて、追われて毎日が過ぎるから早く感じるの?
今年も頑張ったし、いろんな事がたくさんあった。
でもこうして正月準備をしていると、
今年こそと結局一年そのままの状態の案件も山ほどで、虚しく早く感じてしまう。


写真は、先に報告したタモのテーブルの脚をカットしてコースターにしたものです。
四方柾なので年輪が斜めに美しく走っている。年輪を数えてみた。
7センチ角のこの断面だけで110年以上を刻んでいる。なんということだ。

下の材は 元のタモの原板です。年輪は怖くて数える気がしません・・・
幅から推定するとく300年は優に超えている。いや400年くらいあるかもしれないのです。

一年に1ミリくらいしか太くならない北海道の原生林。ミズナラもこういうのがある。
 眺めていると、「僕はこのへんで生まれて・・・」と、妙に人生がちっぽけに儚く感じてしまう。
人間の寿命よりも、数倍あることが、ちょうど数倍等身大?で畏敬の念を感じるのかな。

一年で少しずつしか大きくならないけれど、でも一年一年の積み重ねで、成長していく。
来年もまた少しずつでもやりたいことを挑戦して、続けていくだわい。なーんちゃって。

2014/12/26

タモのダイニングテーブル

今年最後の作品は近所のFさんのダイニングテーブル。


  材 : 北海道産タモ、脚は4本ともとっておきの四方柾。ついに出動!
サイズ : 幅1350×奥行き800×高さ670。引出しを2杯(材:キハダ)

既存のアームチェアーが入るように、「幕板脚直接吸い付き構造」(自称)とした。


シンプルな4本脚のテーブルにするためには、その分加工の精度が大切になる。
 

幕板と脚にまたがる蟻ホゾを加工して、左右を繋いで、H構造にして、左右同時にテーブルに吸い付ける。


お疲れ様でございました。28日の日曜日大安の朝に納品予定。

2014/12/04

今年のリンゴ

 今年もリンゴ屋さんの季節がやってきた。毎年工房近くのリンゴ農家から選果前のものを箱ごと分けていただき、私が選別して送っている。
 いろんな行事が一年の早さを感じさせてくれるが、リンゴの時期はとくに感慨深い。結構な量をいただくので、状況によっては選果に大変時間がかかることもある。今年はどんなりんごだろうか?はらはら感も合わせて、この忙しいのにっとかなり気合が入り師走。
 
 今年は色づきも良く、玉も大きめで、蜜もたっぷり入って(完熟のしるし)、なんといっても味がフレッシュで美味しいので(味が一番!)安心して準備ができました。助かりました。
 まだ余裕で少し残してありますので ご希望の方にお分けいたします。

 5キロ18玉入り      3000円  1箱 売り切れ
5キロ16玉入り      3200円  2箱 売り切れ
10キロ18~16玉入り  5000円  1箱 売り切れ
10キロ16~14玉入り 5400円   3箱 残り1箱(12月10日現在)

以上送料税込み(※北海道。九州一部離島は別途送料がプラスになります)
なお一応家庭用ということでお願い致します。一部形がいびつなものもありますが、このレベルの林檎で、この価格は絶対お値打ちだとおもいます。

2014/11/29

東京散歩

23日は地震の後片付。24日は娘の大学祭最終日で、アカペラのサークルで歌うので、一度は見ておこうということでは早朝から東京に向かった。正門の前は何度か車で通ったことがあったが、入るのはもちろん初めて、歴史を感じる建物と、すっごい賑いの若者のエネルギーに圧倒され、世代と地方の格差をめちゃ感じ・・・











夕方は娘の勧めで近くの跳ね馬という馬肉のレストランに、馬刺しといえば長野でしょっと思っていたらこんなにも色々あるんだ!流石、お街。 雰囲気も洒落ていて、たてがみってあの?





その日は赤坂のホテル泊りだったので三田から歩いた。この歳にして、はじめて東京タワーを間近に見た。なんだか全然大きく感じなく、可愛いじゃんとおもった。
ニコンをぶら下げた外人の若者に、撮影のベストスポットを教えて欲しいと英語で話しかけられたが、ジェスチャーしかできなかった。確かに僕が撮影したのは木が邪魔かな。


途中ここが6ッポン木か、ここがロシア 大使館かとやや迷子気味になんとか辿り着いた。

次の日は豊島区のお客さまのところにベンチを収めた。先月収めたテーブルと椅子と漸くセットになった。結局天板から座板まで総て一枚板仕様ということになった。家具の話よりも、おみやげに持っていった味噌と醤油の話に熱が入った。






その日の午後は目黒の娘のアパートに車を駐めて、東京都庭園美術館にいってきた。世界的にも貴重なアール・デコ建築と装飾にすっかり魅せられてしまった。
 
 平日は写真撮影できる。雨降りの3時頃だったので、人も少なくじっくりみれた。

 知る人ぞしる(僕は知らなかった)ガラス工芸家ラリックの作品がいたるところに。

 家具も素敵なものばかり・・・ため息がでてしまう。
下の写真は書斎で、四角の部屋の4隅にコーナーを置いて円形にして、その真中に机・・・陽の向きに合わせて回転出来るようになっている・・もう素敵すぎる・・・
 この書棚も重厚感があり素敵だ。私にも作れるかも・・・作ってみたい。
でも引き戸の板はどうなっているのかな?4枚に挽き割り、ブックマッチ?・・・突板かな?ん・・・


夜は、目黒駅近くの串天ぷら「むてっぽう」というところで食事した。とても美味しかった。お街はいいなあ。とその日は娘のアパートに泊まった。
次の日は東京ビックサイトでのインテリアの見本市(初日)を見学した。久しぶりの見学で結構ヒントをもらった。No photo でした。

全部見きれず時間切れで、夕方に渋谷区初台のお客様のところへ机の納品に向かった。

 マックの使い手仕様。6月に工房で板を選んでいただいて、7月の品川の個展の時に寸法など詳細を詰めて漸く完成となった。バラ科のサクラのメインに、バラとローズをかけて、引出し材に初めてローズ・ウッドを使った。
 
 
(その後、机上には4Kの大画面のモニターがどんと居座ってるようです。)


帰りに東中野駅前の手作りお煎餅の林屋さんでおみやげを買って、長野須坂インター24時3分着。深夜割引を利用して、ちょっとは節約。濃厚な2泊3日でありました。
ということで地震のお見舞いを頂いた方にお返事が遅くなりましたことをお詫びいたしますとともに、無事で何よりで元気にやっております。

2014/11/12

秋の恵

久しぶりのブログです。ツイッターでワンショットと100文字以内のコメントで発信するようになってから、ブログとの使い分けがごっちゃになってしまっています。
書きたいことはいろいろあるのだけれど、ブログではちょっとまとまったことを・・・と思っていたら、タイミングを失っしてしまい、先月はついにノーブログになってしまった。
 で今日はお気楽に・・・明後日より、自宅で展示会をやることもあり、作りたい物が山ほどで追われています。今日はどこまでできるかガンバなのですが、そのまえに・・・


 ヒラタケ、大家さんからいただいた。 素敵にできそう。











畑のトマトとピーマン。お腐れ様でした。さーてやるか!

追記 、絞った醤油の火入れ。(先月10月26日のこと)

 88度まで止めるが、80度くらいからなかなか上がらない。それは少し発生したアルコールが飛んでいるからとのこと。元化学者はすぐに納得。

2014/09/27

新しい機械がやって来た

機械屋さんが来るたびに「こんなのが欲しいのだけれど・・・」と構想を練れども、これまで自作の治具や人力でなんとかやってきた苦節20年。ちょっと体力も落ちてきて、あと20年は仕事を続けるにあたって「今でしょ」というタイミングで、思い切って特注で作ってもらった。


「手動ランニングプレーナー」
 大きな装置になっていますが、要はハンドルーターをXYZ軸に安全にかつ精度よく使い勝手よく動かせる為の装置です。
最初は極シンプルでいいと思っていたけれど、こんなこともできたらいい、大きさも「大は小を兼ねるか」とか要望が増えて、かなり立派なものになった。



水平がまず命。大面積の平面を得たことだけでも、うれしい。



早速、まず削ろうと思っていた仕事にとりかかった。
長さ3m弱のサクラの原板、今回2枚を使って長さ2m70の天板を作る。
長い板で結構、反りと捻じれがあると、これを最低限のロスで上手く接ぎ合わせるには
かなりの根性がいる仕事だ。この機会を待ちに待っていた。



板がどれくらい捻れているかがすぐにわかり、それだけでもうれしい。この装置の実用切削長さは2m50なので、その長さを超えた板をどのように削るかは工夫がいる。その見極めも初削でしたかった。


まずは削れるところは削って。今回奥行きは2枚分一緒に削れる余裕なので、両者の様子が一目でわかりうれしい。奥は反りは少ないが、もともとやや薄いので削れるところが少ない。こともすぐに分かる。少しずつ削って、手前はほぼ平面がでたところ。

メジャで測ると、2m58まで削れている。削れないところをみると・・・こんなに削ったんだと、しっかり認識できる。ことも次のアクションの目安になる。

裏返しにして、同じように削ったあと、表面の削れなかったところを枕木の間にずらして削ると長い材もだいたいほぼ面一に削れた。予想どうりで、よしよし。




また最後に表にして最初の削れなかったところを仕上げる。片面がほほ平面がでているので安心。しめしめ。


今回は幅が60センチ以下なので、より平面に削れた面を下にして自動鉋にかけた。目標の厚みは35ミリなので、もうここまでくれば、なんとか行きそうでホット一息。

 そしてもう一枚も削って、2枚の板を35ミリの板厚まで削って同じ厚みに揃えた。所要時間は、100Vの機械なので連続運転はできないこともあり、検討や休憩を入れてざっと4時間。これをこれまでの人力電動カンナとルーターでやっていたら、疲れるので2日はかかったかもしれないし、厚みはもっとロスしただろし、 こんなに綺麗な平面は得られなかったことであろう。この日の仕事だけでも大助かりである。

 削りたい板は山ほどあるし、
ルーターを使ったいろんな仕事ができる可能性を秘めたワクワクさせる機械である。

☆削れる大きさ:長さ2500奥行き1200(奥行き1500まで載ります!)
☆製作:西野木工機製作所(上田市)

2014/09/15

にわかスサマジー

庭の蚊が凄まじい
空き地の秋の暴れ蚊

昼間は小さい蚊が、夕方からは大きい蚊が
神経集中して仕事している時に、プ~んとくると
体育会系必殺パチンが優先になる。
 なんとなく微熱っぽく、薄ら頭痛いのは、デング熱ではないだろうけど、
3匹も4匹も一度にまとわれると、恐怖を感じる。
アレルギー的反応かも

ところで雑草を刈ったら、シソ畑が現れた。シソの葉の保存方法はないのだろうか。

工房のブランコの支えの丸太は17年ほど雨ざらしの状態で、 5年ほど前に交換した。
その古い丸太を今日挽き割って角材にした。
もうすぐ搬入される、特注の木工機械「ランニングプレーナー」の枕木にするために。
多少老けているけれど、まだ使えるぞ。

 昨夜はDVDで「最強のふたり」を見た。
原題は「UNTOUCHABLE」 はそういう意味も含んでいるねんね。
今日はTVのNHKスペシャルで立花隆の「臨死体験」を見た。
人生いろいろ考えさせられますな。
老けていっても、人生ますます、幸せになれるようにしたいものだ。
一皮向けば、新しい面がでてくる古木のように。



2014/09/01

にわかスタジオ

 以前住んでいた栗田の時に使っていた長物ロールペーパーを今の自宅にもようやく垂らすことができた。栗田の時は庭だったので、庭かスタジオ!で雨の日は☓、また日が照ると影ができすぎて△でタイミングがむずかしかったが、今度は屋根があるので安心。

  居間で使っているお気に入りのギャッベを下に敷いてみた。

10月の吉祥寺東急店のDM用写真の準備で・・・




 シンプルデスク・・・
 子供大きくなり結婚したら・・・二人のダイニングテーブルとして・・・のための写真。前々から撮り  たかったのでようやく実現。





 撮り会えず以上ですが、トップのライティングが欲しいです。ギャッペは掃除ができて良いようです。











2014/08/26

白い家具

 白が基調のお部屋にダイニングテーブルセットを作っている。材はイタヤカエデ。今月はじめにテーブルと収納付きベンチを収めて、その時間に合わなかった残りの椅子2脚がようやく完成した。

脚はイタヤカエデ、座板は針葉樹の赤蝦夷松。
脚は堅いカエデでしっかり安心で、座面はお尻にやさしい針葉樹。理にかなっていると思う。
色合いはどうかとい うと、オイルを塗ると、それぞれの色が深まり・・・イタヤは本来素地は白いのだけれど、かなり濃くなる部分も表れ、白いかどう かかなり微妙・・・。
赤蝦夷はカエデより黄色っぽい。なにわともあれ、一枚板の風格と松の優しさが伝わって気持ちいい。



追加写真。8/29

先に納めたテーブルとベンチ。こちらのほうが白っぽく見える。色の話は難しい。

2014/08/14

お盆枝豆LED

お盆。我が家では、特にご先祖様を供養する行事の習慣はないのだけれど、工房のある村の集落では、さすがにこの時期、機械を動かしてうるさくするのは、ちょっと迷惑かなと思い、今日明日くらいは自宅でおとなしく、故人を偲びながら、溜まっているデスクワークをしようと思っている。



息子や娘もそれぞれちょこちょこ帰ってくるので、採りたての枝豆を食べさせようと、工房帰りに畑に寄る。と、この状態。 肥料不足や草に負けて、毎年情けないくらいの枝豆ですが、採りたての香りだけは夏の想い出にかかせない。
 

長男が昨日、自宅ギャラリーに細長いLEDの補助光を2本つけてくれた。(1本500円ちょっとらしい。なんでそんなに安いの!)でもなかなか感じがいいので、あと4本くらいは付けたいということで、またいつか帰ってくる用事を作って今日東京に帰っていった。







2014/08/01

されど端材

この夏は工作キット類と工作応援端材の注文がうれしい悲鳴を上げている。特に、端材の方は、本来家具の製作で出る端材をお分けしているが、特に細かいサイズのものが、全然足らなくなり、端材を作るために頑張って家具を作っている感じの本末転倒状態。赤信号も点灯している。比較的大きな端材をさらに細かくカットしたりして、これは結構気を使い、一体私は何をしているのだろうという瞬間もある。でもお客さまがそれぞれの思いで、端材に新たな命を吹き込んでくれることはうれしいことだと思いなんとか頑張っている。



先日あるお客さまから「木のサンプルミニ12種」のご注文いただいた。電話だったので、伺ってみると、お子様は小学3年生で、木に興味があるので、自由研究の一助にしたいという。なんとうれしいことだろうっと、そこでちょっとひらめいた。私の工作用の端材も同時に注文してもらい、木のサンプルをもとに、木っ端の樹種を分類してみるのはどうかっと。
同じ樹種でもいろんな風合いがあり、木のサンプルミニから類推することは容易ではない。そこを五感を研ぎ澄ませて、感じてみる。正解は学校の先生もきっとお手上げだから、気にしなくていい。



賛同頂いたのがこのセット。通常は工作用として詰めるが、今回は樹種を意識して詰めた。サンプルにない、桐や楡がダミーとして意地悪に入れてある。
ちなみにサンプルセットが700円で、端材2キロセットが1000円この価格の差はどうかって思ったりもするが、総額でこのくらいで、ひょっとすれば、お子さんの人生も変わるかもしれない。と思うと、たかが端材。されど端材なのである。