2012/06/01

鉋盤の刃の調整

昨日、刃を交換した自動かんな盤、材を削ったところ、左右の厚みにちょっと(0.1ミリほど)差がでる。これまでなんとかやってきたのだけれど、今回は削り肌もちょっと気になるので、ここはちょっと奮起して再度調整を試みた。
 自動かんな盤は回転する鉋胴に3枚の刃を左右均等に全部同じ出っ張りで取り付ける必要がある。一応装置付属のゲージ(左手)を使うと、3枚とも揃うということになっているのですが、実際は、ゲージや刃の取り付けネジの締め付け具合は”手動”なので、なかなかうまく揃わないことがあり、かなり苦労することになる。そんな時はダイヤルゲージの出番となる。0.01ミリまで測れる。鉋胴をそっと回すと、針がその高さをなぞって振れる。3枚の刃の最高点が揃うまで、ネジを緩めてはチェックして・・・左右同時に測れないので、左が揃ったらとおもったら、また右がずれちゃった。ということの繰り返し。ダイヤルゲージが2台あるといいのですが・・・そこまでするか?という費用対効果のいつもの命題に突き当たる。ゲージを置く適当な場所ないという問題もある。3時間くらいかけたところで今回はプラマイ0.02ミリで妥協。ネジ締めの繰り返しのお陰で右腕がダルダル。
 ところで刃を交換したら当然切れ味はいいのですが、3枚揃わないと、返って逆目はとまらないときは逆ショック。少し使っていくと、切れ味は悪くなっていきますが、3枚の刃が揃って、逆目は止まるという悔しいジレンマ。

 さて、さりげなく羽織っているジャージは20歳の時、仕事用に買ったもの、アシックスタイガー製。パンツはその後の学生時代、陸上の練習でボロボロになったが、上着はこのとうりまだ現役。前のチャックが壊れたが、亡き母が交換してくれたので、愛着もある。あの当時で上下12000円ほどしたように思うが、縫製がしっかりしていて費用対効果はもう十分でしょうか。

2012/05/30

時代屋の女房

 ゆうべBSで懐かしそうな映画をやっていた。骨董品の安さんを演じる若い渡瀬恒彦や津川雅彦、今は亡き名古屋章、大阪志郎さんの顔ぶれも懐かしいのですが、なんといっても夏目雅子のなんともキュートな色っぽさに魅いってしまった。83年製作といえば僕は25歳かあ。ちなみに夏目雅子ちゃんとは同い年。TVで見た孫悟空役が強烈な想い出で、この映画はリアルタイムで観なかったのは残念だけど、こーして初めて見るのもまた楽しからずやということで。いやー昔の映画はいいですね。 
 職業柄、骨董家具にどうしても目がいきますが、ダットラの荷台で回収の呼びかけをしている可愛いシーンは、ハイエースの荷台で、荷造りしてくれている家具屋の女房と重なったりもします・・・・。

 さてこの写真は自動鉋盤の刃を交換しているところで、映画とは関係ありませんが、私が着ているチョッキが83年ごろに購入したものでシェラデザイン製。骨董品にはなりそうもありませんが、30年の懐かしさは伝えてくれています。前面はボロボロになり、毎年今年こそ思いきって捨てよう!おもっているのですが、こうした作業の時には結構重宝なのです。昔の物は縫製が丈夫!
 さてさて、機械の刃物は、使っていると切れなくなっていきますので、研磨して交換するのですが、そのタイミングが結構難しい。研磨にお金がかかることや、調整に時間がかかることもあるのですが、せっかく交換しても、削る材が荒れていたら、すぐに刃を傷めることになるので、刃の交換後は絶対に逆目が出て欲しくないような板や、仕上げとして削りたい板が出たときになります。しかし交換する前には、逆に多少刃を痛めてもいいような粗削りをガンガンやりたいので、肝心な仕上げの仕事は置いといて、次の仕事の準備をすることになります。でもこれが欲がでて、あれもこれもと荒削りを楽しむことになってします。今回は机やテーブル天板用の板をあれこれ削って、その中から、椅子の脚や座板の板を確保して・・・3日も4日かけてしまいます。でも次の製作の材が、この段階で確保できるということが、大きな安心に繋がり、大好きな一時です。
 下の写真はラダーバックチェアー10脚分のクルミ材を荒木取りした様子です。気持ち的には一安心というところです。

2012/05/12

サクラの丸太パズル

 3年前に製材して、人工乾燥した後、工房の梁の上にずっと置いていたサクラの原板。ようやく使いたくなって、一昨日かみさんに手伝ってもらって梁から下ろした。上げるのは一人でやったけど、下ろすのはちょっと・・・いうことで助かりました。次の日、元の丸太に戻してみたのが上の写真。こちらは一人で作業したが、製材の前に木口に「大橋」印やカラースプレーで色分けをしていたので、木目と色のラインが合致した瞬間は、ジャジャジャ~ンと拍手喝采。一人で味合うのはもったいない、楽しい楽しい丸太のパズル。

 丸太の製材方法はいろんなやり方があります。使用目的や、丸太の状態によりその都度判断していきます。サクラは、通常は「ダラ引き」といって、そのまま順にスライスすることが多いです。そうしますと両側に耳のついた板になりますが、今回は「幅詰め」といって、予め幅を決めて、まず両側をカットする方法をとりました。
 右の丸太(A)は幅240ミリ厚み35ミリで、すっきり前面ストレートの机の天板用です。
 幅詰の製材では、カットする位置を見誤ると、木目が流れたり、節がたくさん出たりして思った板がとれなくて泣いたこともありましたが、今回はまずまずのようです。難しさはありますが、やり直せないのでなんともいえませんが、目的がはっきりしているので、迷いも少なく、矧ぎ合わせの時に気持よく使えて、また両側の切落しから取れる材はこの部分は耳付きで使えますのです、ボーナスのような得した気分になります。
 左の丸太(B)はやや厚くして38ミリ、幅は310ミリで。元々曲がりがあったので、片側に耳が残る板がいくつかとれて、3枚矧ぎで、両側に少し耳を残したすっきりテーブル用に。と夢が広がります。
 いずれも芯のところと残り一部を今回は18ミリ厚でひきました。この薄い厚みは普通流通していないので結構重宝します。
 このように丸太からの購入では自分の好きなように製材できるので楽しいのですが、丸太の素性の見分けから始まって、製材・乾燥とそれぞれの工程でリスクや時間を伴いますので、決して効率が良いとはいえません。しかし、この丸太パズルの楽しみがあると思うと・・・またやりたくなります。もう趣味の領域かもしれません。
 さーて!どの板をどうカットしていくか、ここから家具製作の木取りとの格闘が始まるのです・・・