作って見たい作品は山ほどある中の一つ、「四方転びの卓袱台」
春から東京で下宿生活をはじめた娘の為という目的を得て、ようやく形になった。
折りたたみの構造をどうするか。天板の形状や大きさはどうするか。
無垢材ゆえの反りをどう抑えるかなどいろいろ課題はあったが、
材はキハダに決めていた。和風の印象で、黄金の輝きのわりに軽く、反りもおとなしい。
形状は最近気に入っているスーパー楕円でいくことにした。
2.5乗から3乗までいろいろ検討して今回も2.8乗にした。
楕円のイメージよりかなり長方形に近くなるが、実用的にはおもしろい形であると思う。
特に今回は脚の長さをできるだけ確保するという点ではたいへん有利である。
(かみさんが計算式から型紙まで作ってくれた。もう趣味の領域)
サイズは娘の部屋には若干大きすぎるが、幅80センチ×奥行きは53センにした。
サイズを小さくすると脚の長さがその分短くなってしまう。
脚を出っ張らずに転ばせて、なんとか高さを28センチまでに確保できた。
折りたたみの構造は、木組みであれこれ考えたはみたが、どうしても仰々しくなるし、その分脚が短くなったり、使い勝手の問題もあり、なかなか良いアイデアは難しい。
そんな折「スガツネ」のカタログで、おもしろい金具を見つけた。「トルクヒンジ」メーカーに問い合わせると、「そういう目的では使ったことはないがおもしろいかもしれない」と興味を示してくれた。
いろんな仕様のもがあって、試してみた。ここは安全第一で固めのトルクのものを用いた。
定位置でのロック機能は無いけれど、折りたたむのにギュッと力が要るので、
使用中に勝手に動くことは先ずない。外から金具が見えるのが残念ではあるが、
そこは高級金具の「構造美」として割り切ることに。
さて、名前をどうするか。悩んでいる。
「四方転びの卓袱台」「楕円の卓袱台 」「キハダのスーパー楕円2.8の卓袱台」・・・・
娘(ひかる)に捧げるということで
「ひかちゃぶキハ2.8」
というのはどうかなとたまたま電話してきた息子に話すと「親ばか」と一蹴された。
真ん中の脚の折りたたんでいるのが娘用(当然試作品である)
周りの作品は来週8月8日から参加する東急たまプラーザの展示会に出展する。
是非見に来てください。