先週、机の納品と次の製作の打ち合わせのため愛媛県の松山市を訪れた。30数年ぶりの四国の地を踏んだこともあり、また松山市が同じ県庁所在地の長野市とは比べ物にならないほど元気一杯の街でちょっと羨ましかったけれど、松山城の門戸の迫力には感激した。本丸大手の重要な固めで、城内でもっとも堅固な建造物に「筒井門」というのがあって、その扉の板戸に使っている板。長さ3メートル幅1.5メートル厚み6センチの楠の一枚板。左右でブックマッチで使っている。すっげー!
「ブックマッチ」とは厚い板を2枚に挽き割って、それを本を開いたように2枚に矧ぎ合わせてテーブルの天板などに使う手法のことである。家具でも開き扉の鏡板にこのようなブックマッチ的な使い方を好んで用いるので、ジョージナカシマが名付けたブックマッチ以前に、古式ゆかしい呼び方がありそうですね。門マッチ?扉マッチ?だから・・・ゲートマッチ?全然古式くないですな。
ところでこの門は1600年ごろの築城以来最古の建物のひとつであり、昭和10年に国宝に指定されたが、戦後消失し(なんともったいない!)昭和46年の作とありました。