2012/07/20

シソ救出

暑くなってくると、シソの香りが恋しくなる。シソは毎年こぼれ種から生えてくるので、なんの世話もなく助かっているけれど、今年はちょっと少ないかな?成長も遅いな?草刈りでシソを刈らないように、救出せんといかんのだが、ぱっとみて、一瞬見間違える草がある。シソモドキと呼んでいる。葉っぱをかじってみて・・・エッ?香りがしない!・・・本物はどれだ!毎年やっているのに身についていないようだ。情けない。よーく目を凝らしてみていると、だんだん目が慣れてきて、遠くからでも、その色合いと葉っぱの風合いでなんとなくわかるようにはなってくるだけれど・・・。それにしても、秋、あんなに穂をたくさんつけていたのに・・・少ないな。自然は厳しいね。シソモドキさん。きっと由緒ある家柄なのかもしれませんが先に刈らせていただきます(合掌)

  
ところで、シソの葉は「大葉」として売られていますが、昔から大葉って言ってたかな?かみさんに聞いてみると「昔からよ」と言われたけれど、子供の頃(大阪では)「大葉」って聞いたことがないような。そもそもなんでシソの葉だけが「大葉」なのよ。サンチェの方がよっぽど大きいよ。

2012/07/15

オールサクラ

  お父さんから小5のお嬢さんへ机のプレゼント。「抽斗の中もすべてオールサクラで」というご注文をいただいた。通常抽斗は、少しでも軽く作る方向でシナ材や桐を使うことが多い。サクラより軽いクルミの場合は、「オールクルミ」で何度か作ったが、サクラは初めて。底板を準備するだけでもちょっと大変で、その由を伝えたところ、「おやじの娘さんに対する熱い思い」に負けてしまった。構造的にはより丈夫になる方向ではあるし、「総ひのき」や「総ケヤキ」に負けない「オールサクラ」の暖かな響きに魅せられて、喜んで引き受けた。

 
  結局、抽斗材だけでなく、中の構造材のすり桟や、振れ止めはもちろん、ハンドル取手を繋ぐ丸棒もサクラでこしらえた。ボンドと木ねじ以外は木はすべてサクラで作ったので、一応「オールサクラ」でいいかな。オール5、オールグリーン・・・オール・・・はいいですね。

ところで「木ねじ」といいますが、木でできたネジではなく、「木に使う用」のという意味で。「木ねじ」なのですね。「木釘や竹釘」は木や竹で出来た釘ですね。おもしろいですね。

2012/06/18

木育を考える

先週末「木の文化フォーラム」で「大学の棟梁‥・木工から木育の道…」と題して、島根大学の山下晃功先生の講演があった。私も家具作りを通して、お客さまに木育的になにか伝えることができればと常々思っていることもあり参加させていただいた。
 大学で40年にわたって"かんな"を研究するかたわら、木工教育に携わってこられ、林野庁が進める"木育"の提唱者であり、実践家でもあり、ユーモア溢れるお話で楽しかった。特に鉋の刃先角度と刃口が、削りにどう影響するか、高速度カメラで捉えた映像が感激でした。、「アインシュタインの眼」(NHKBS)に出演されて、法隆寺大工の西岡常一さんのお弟子の小川さんが「ヒノキは37.5度がいいんだな。」と経験で身につけた技をアカデミックな見地から見事に検証。 
 この日は午前中、墨田区の道具屋の井上刃物さんで鉋の刃の研ぎ方や台の直し方の話を聞いていたので、山下先生の話と相まって鉋の極意話三昧。刺激的な感謝感謝の一日でした。両国から大江戸線に乗って、青山で降りて、雨の中、表参道ー原宿と老体に鞭打って、ナウい店々を垣間見ながら、フォーラム会場の渋谷の桑沢デザイン研究所までの散歩も(実は迷子になって)刺激的でした。


  さてこの写真の椅子は、私の工房のある小川村でもう25年ほど前に廃校になった分校で使われていたものです。譲ってもらってから私が雨ざらしにして使ったこともあり、特に右側の椅子は,、ドラム缶風呂行きかなと思うのですが・・・いざとなると、なかなか燃やせません。
  右側の椅子は節があったり、決して良いとは言えない杉材を使っているけれど、前脚を斜めに配置して、安定性を保っているところはちょっとおしゃれ。この斜め加工だけでもぐっと手がかかっている。「通しほぞ」にしているところもいい。左の椅子は、広葉樹で、コナラかなにか。こちらは、「止めほぞ」。それと座面の板をはめ込む溝がカーブを描いていて座り心地を考えているのがシャレている。この溝彫りだけでもずっと手がかかったろうに。いつどんな人が、どんな環境で作ったかはわからないけれど、昔の職人さんの熱い想いが伝わてくる。
  こんな温かい椅子で勉強できた昔の子供にとっては、スーパー木育だよな。昔はいいなと思った次第。