2018/09/09

レッグジョイントシステム

1年ぶりのブログです。日頃ツイッターで発信するようになり、すっかりご無沙汰しています。やっぱりブロッグでまとまって残して置かないと、アーカイブーブーですね。

さて今回は直近の話題です。初めて野口ハードウエアーのレッグジョイントを使用したので、まずはメモ程度ですが、記録しておきます。

①サイズがいくつかあり、今回は56-35サイズにした。
②固定式と微調整式があり、今回は両方1セットずつ購入した。

 ホールソーは56ミリぴったりがないのでまずは50ミリで深さ8ミリ開けます。次に35ミリで更に深さプラス11ミリ開けます。56ミリ用のトリマーテンプレートを使い拡張します。このテンプレートの製作が、微妙に難しい。


今回の天板はミズナラで厚みが30ミリと決して厚くない材で、直接取り付けるでデザインだったので、天板ソリ防止の為に、吸い付き桟を間際につけた。一工夫二工夫必要となった。


足は角材で、できるだけ金具が見えないようにコーナーに配置すると、ボルトを締めるのに吸い付き桟が邪魔になる。そこは見栄え優先したが、結局吸い付き桟への穴開けが予想以上に、位置と角度の最適化が難しく、金具は見えども、桟に開けた穴はかなり目立つ。そこは我慢できる?
※なおレンチは付属のものでは長さが足らないので、長いものが必要になります。



 脚の方に挿入するボルトは、まず13ミリのドリルで垂直に穴を開ける。難しいかなと思ったが、なんとかうまく行った。

マニュアルでは、ボルト挿入時に接着剤とピンを使うとあるが、ボルトはタップ状態で、キュッキュッとネジを斬りながらかなりきつく入って行くので、接着剤や、ピンは必要ないかな。多分、柔らかい材だと、こうは行かないのだろう。
 ただ、希望の向き(コーナー)に止めるのは至難の技。脚の向きは意匠上、どちらを前面にするかはこだわりたいのだが、先に脚のコーナーの欠き込みをしてから、ボルトをねじ込んだところ、
堅木なので、しっかり固定はするけど、希望の位置に来ない!何度か抜いて再挑戦したが、、、結局最初の一本は面を僅かカットして、希望の位置へくるようにした。

残りの3本は、先にボルトをコーナーにくるようにしてから、コーナーの欠き込みをした。

最初の切り込み位置で決まるとすれば、かなりムズイ!

この脚側の斜めの欠き込みはみなさんどうやているのだろう?角度をつけて、ドリルで開ければいいかもしれないけど、きちっとした治具が要りそう。
今回は、4本だけなので、鋸とノミで掘ったけど、なにかいい方法がありましたら教えてくださいませ。

ところで、付属のボルトに青いものが塗ってある。固定式のにはなく、微調整タイプのものだけにある。メーカーに聞いてみたところ「気になりますか?」と言われて「えっ、気になるから聞いたのです!」と突っ込んだら、「それでは聞いてきます」ということでなんと「!!!!!!」気持ちはわかりますが・・・  でもこんなデザインが可能なのもこの金具のおかげ。合掌

2017/11/19

染みの手入れについて

「染みのお手入れ方法」
染みの正体を把握することが、お手入れの基本になります。染みには大きく分けて3種あるかとおもいます。
①黒い輪染み
②白い輪染み
③油汚れなどの沈着

①の黒輪染みは、一番よく目立つ、黒い輪っかや、四角い黒い染みです。
 これは鉄製の缶々などを濡れた状態に置いた時にできます。ほんの僅かに溶け出した鉄と(鉄イオン)と木に含まれるタンニン成分が反応してタンニン鉄に変化したものです。変色していることになりますので、拭き取りしてもとれません。変色してところまで削らないととれません。0.2ミリほど削ればとれる感じでしょうか?
濡れていなくても、一晩で結露してできてしまうこともしばしばです。

②の白い輪染みは湯呑みなどの跡がまわりと違和感がある輪染みとして残る場合です。
熱いカップな冷たいグラスなどを置くと、どうしても濡れた状態になります。その水分がやや染み込んで、水分が蒸発したときに若干の不揮発成分が残ったり、ふやけによる状態の変化、それと木の表面の色素が水に溶けだして、結果的にまわりと違和感のある白っぽい輪染みとして残ると考えています。

長年使っていると、全体的にカサカサと白茶けた感じになるのは、表面塗装したオイルが抜けてくるのと、こういう白い輪染みが全体に広がっていくことによる変化だとイメージしています。
色が抜けた所は、基本的にはもとに戻りませんが、オイル・メンテナンスをすれば、少しは気にならなくなるでしょうか

③油汚れなどの沈着
オイル塗装では、水性の汚れはしみこみにくいですが、マジックの油性のもの残ります。 単に木の表面の凹凸に入り込んでいる汚れと、もう少し深く染み込んでいる汚れというイメージでいますが、いずれも変色しているわけではありませんので、クリーナーや若干の研磨で完全とはいきませんとれます。汚れをとると同時に、塗装のオイルもとってしまう方向になりますので、そのバランスをどうするかということになるかとおもいます。

続く


2016/10/02

ドミノジョイントの応用

ドミノジョイントカッターを使うようになって、8年ほどになります。もうこれ無しでは生きて行けません!作品毎に、どこで使えるかな?と考えます。やっぱり通常のほぞ組の方が良かっり、ドミノとほぞの併用が良かったり、試行錯誤の繰り返しで、私なりの使い方もいくつか決まってきました。今回の「斜め脚」構造のテーブルの脚の組み立てでは、ドミノで大いに助けてもらっているの記録しておきます。

下の写真は、テーブルの天板を裏側にして、脚の部材を配置しているところです。 「斜め脚」とは、脚を45度傾けて、脚と脚を繋ぐ「幕板」を45度にカットして繋ぐ構造の自称名です。










斜め脚構造に対して、普通の角脚の場合は、幕板が直角に接合するので、ほぞ組にすることが多いですが、45度(留めといいます)で接合するほぞ組は結構難しく、特に、長手の幕板を繋ぐ「補強材」を付ける場合は補強材の長さを内寸ピッタリにしないと、留めもピッタリつかないので、かなりの精度が要求されます。

設計上の内寸は計算で出るのですが、実際の現物は、其のときの事情で、微妙に厚みなどサイズが変わってきますので、そこは微調整しながらの現物合わせとなります。天板の出っ張り具合は設計どうりにしたいので、幕板の長さはぴったりで且つ、頑丈さ優先で脚との隙間が無いことが求められます。今回はテーブル長さが2100と長いので、部材も、短すぎたから、代替のものでと言うかわけにはなかなかいきませんし、特に慎重に準備しました。

実際には少しずつ削って合わせていきますが、このドミノシステムは、「イモ状態 」(胴付き面ピッタリ)でいいので、実際にカットした部材をそのまま仮組みして、状況を判断できるのが何と言っても助かるのです。通常のほぞ組だと、仮組みをすることは難しいことが多いし、その微調整はその判断が難しいことと、もし短すぎたりした場合に、作り直しする場合はちょっとため息がでます。


今回、吸い付き桟は3本で、脚の補強材にピッタリ寄り添ってはまるようにその精度もこだわりましたが、この吸い付き桟を仕込む前に、補強材の最適長さを決める、予備材として使います。吸い付き桟のキツさ調整が確認できたら長さをカットします。最終的には補強材よりも数ミリ短くしますが、そのときに、最適な補強材の長さとしてカットして様子をみるのです。ここで仮組み状態で最適長さを確認できると、かなり安心です。
今回は結果的に吸い付き桟もしっかり入り、留めの角度と補強材の長さもバッチリに調整できました。

いよいよ ドミノジョイントカッターの登場です。ドミノのサイズと穴あけの位置。これまた大変悩むところです。留めの部分は、幕板に突き抜けぬように、脚にダメージが少ない様に注意が必要です。(過去になんどが失敗していますので)今回は、縦に厚み10ミリ長さ50、横に厚み5ミリ長さ30ミリを使います。また厚み5ミリの脚の穴は横に広げる(中)を使います。

ボンドは留めの穴は一液性ウレタンボンド(オーシカダイン)を塗っておき、ドミノや胴付きは白ボンドで併用します。

組み立ては、一気に組むと、ドミノが入らないこともありますので、少しずつ入れていきます。若干の遊びがあるところが、ポイントだと思います。遊びが有りすぎると、ほぞとしても効果が心配になりますが、通常のホゾだと、こういう組み立ては非常に難しいことになります。


胴付きの密着が確認できたら、クランプをはずし、天板から外して、正常位で立てて、さらに隙間や、メチなど無いようにクランプで締めて調整します。
精度良く密着して、しっかりボンドが効いてくれたらまず安心です。あまり締めすぎると、反対側がずれたり、全体のバランスが大事です。一晩たったら、少しずれていたということもしばしばです。

乾いたらコーナーを念のために補強して完成です!朝が楽しみにです!

ドミノサマサマです。