奈良時代に暮らした人々の息吹を感じ、なにかヒントが得られるのではとわくわくして見入った。瑠璃杯(るりのつき)は30分列んでかぶりつきで見た。美しいコバルトブルーは、遠くの異国を思い起こさせるロマンが溢れもちろん素敵でしたが、私が一番感動したお品は、「棚厨子」。当時は多分ただの?「展示台」であったであろう物が、立派に展示してあったことです。お宝の琵琶などを収納したというノックダウン式の木の棚。棚板に柱材を貫通させて、楔で固定する構造で、棚は奥行き50センチ以上はありそうな杉の一枚板を使っていました。大木はたくさんあったのでしょうが、電動工具の無い時代、どんな方がどんな風に製作したのか思いをはせて見ました。大木から板にするだけで・・・結構な仕事だったに違いありません。
構造的にもなかなか理にかなっている機能美に昔人の知恵を感じます。いつか似たようなものを作ってみようかなと思いました。でも一枚板は無理かな。今は強力な接着剤がありますので、棚板は矧ぎ合わせになるでしょうね。
※下のスケッチはうろ覚えの記憶ですので、あくまでイメージとしてみてください。上の板の面は見えなかったので貫通しているかどうかわかりませんが、下段は棚板があったような気がしてきた・・・
追記:この日は正倉院展のすぐ近くで 現役の名工、徳永順男さんの 「創造する椅子」展もあったので、見せていただいた。1300年後の人がきっと長蛇の列をなして、見るだろう椅子達ばかりで、これまたとても感動して、鋭気をいただいて長野に帰って来たのでありました。