2014/06/18

サクラの個性3

またサクラの話ですが・・・・。
耳付きのサクラらしい机ということで3台作りました。サイズは幅1000×奥行き600前後(高さは700)です。サクラでもこんなに違うの?というのを楽しんで頂きながら、私はこれかなっ!という出会いがあれば最高かなっと。

一台目・・・

 2台目・・・
 3台目・・・

◎いずれも天板耳の状態は美しく、抽斗の前板はその風合いに合わせてコーディネートしました!
7月の机展に持って行こうかとおもいますが、多分どれか一台しか持っていけなさそうで、残りは天板だけの展示の予定です。※またこれとは感じの違うサクラの机をHPの机展の案内のところに掲載しましたので、こちらもご覧ください。http://www.woodgruppe.com/event/exhibition/index.html

みなさんはどれがお好みですか?ご希望お聞かせください。

2014/06/12

杢々チェリーの机完成記念!

  杢々チェリーの机完成記念に、チェリーについて日本のサクラと比較してちょっとまとめてみました。
 
 サクラの英名はチェリー。言葉では同じ意味を指すが、樹木としては、私の出会いの中では明らかに異なる。立ち姿は残念ながら見たこと無いが(いつかアメリカにいって見てみたい!)、貯木場に横たわる丸太は何度か目にしている。


 一見してサクラっぽくない。チェリーの方がちょっと黒っぽい感じのするものや、ゴワゴワ感も大きな感じのものが多く、サクラの革細工に使うような横縞の樹皮はチェリーでは見たことが無い。ただ樹皮の様子は成長によって変わってくるらしく、サクラも老木になるに連れてゴワゴワタイプに変わっていく。チェリーも図鑑などでは縞々のものも目にする。輸入されるチェリーの丸太はある程度の樹齢のものが入ってくるので、そうなのかもしれない。ただ切り口の断面はチェリーの方が明らかに赤っぽく濃い物が多い。真っ赤なサクランボに対して、ワインレッドのアメリカンチェリーの黒っぽい実の差はありそう。
 
 材木としては、日本のサクラが個性豊かでいろんな風合いがあることを先日書きました。チェリーはサクラほど多くの本数を製材していないけれど、どうもサクラほどの風合いの違いはないように思う。もちろん一本一本みな違うことは違う。
 
 板にすれば、サクラと区別がつかないものもあるが、全体的にはやはり、ピンクっぽい。また経時でかなりワインレッドくらい深まるものもあるが、サクラでそこまで濃くなるものは見たこと無い。あとチェリーにはガミと呼ばれる独特の黒い筋(樹脂痕)がよく現れるが、サクラにはまず無い。(斑点ででることはある。)

 さてそんな中、次の写真は今回使った杢々チェリーの丸太。もう8年も前のことなので、その時の記憶はだいぶ薄れているが、樹形は、以外に?真直ぐで波々とうねっているわけではない。でも樹皮はよーく触ると細かく波打っている感じはあった。でもその時はまさかここまで波々だとは予想しなかったので製材時に感激したものだ。ところでなぜこんな模様になるのだろう?
波々のチェリーの丸太。外見では並々?(2006年撮影)

次の写真は1年後(2007年)、製材乾燥が終わり、工房に運んだ時の板の様子。
製材後乾燥上がった波々チェリーの一部(2007年撮影)


 原板の様子(上段の2枚)からも全面杢々なのがわかる。日本のサクラではこんなの見たこと無い。(ミズナラでは見たことがある。)さざ波のように波々なので、波状杢というようである。いずれにしても並々ではなくちょっと貴重なことは確か。
そして、やっとのこと7年の歳月を経て(あんまりこの時間に意味はない・・・ちょうど両親が亡くなった年ではあるくらいで)・・・・ このたびようやく総杢々チェリーの机が完成したのでありました。


1月時のブログでこの板を使った天板の板矧ぎのことを書きましたので是非参考にしてください。
http://gruppe-haku.blogspot.jp/2014/01/blog-post_28.html
構造材も全部チェリー、抽斗の側板も底板にも杢々板をふんだんに使いました。ちょっとやりすぎたかな。


かみさんにドヤ顔でお披露目すると・・・「わ~すごい!でも机としてはちょっと落ち着かない???」ってそっ、そんな~~!・・・机展にもってけますので。お楽しみに。

ところで今日サクランボを少し収穫しました。
甘酸っぱい薫りに包まれて、2014年6月11日撮影
 サクランボもアメリカンチェリーも実のなる木は、家具にする木とは残念ながら種類が違うようです。
いろいろ奥は深いですな。






2014/06/07

純粋なECO

  「ECO」にはエコロジーの「エコ」とエコノミーの「エコ」があるとおもいます。双方に効果のある「ECO」だといいのですが、エコノミーであってもエコロジーでないときやその逆もあるかと思います。エコロジーだけれどコストがかかるからエコノミーではない・・・ということはむしろ多いでしょう。何がどうエコロジーで誰にどうエコノミーなのか。長い目で考えるとややこしい話にもなってきます。
 
 TVなど見ていると、環境問題を語る会議の席などで、昔は湯呑み茶碗で出したであろうお茶がペットボトルになっていると気になってしまう。あれはエコなんでしょうかね。

 LED電球は省エネだし耐久性もあるからこれからは当然LEDでしょ!という考えはよく分かる。でも、LEDは単価が高く、最初の出費が痛いので、今使っているのが切れたたところでLEDを考えたらという煮え切らない自分もいます。たいしたECO派ではないのは確かで、どちらかと言えば「ケチ的エコ派」?良く言えば「もったいない的エコ派」でしょうか。

工房のくつろぎスペースのペンダントをLED電球に。(真ん中はこれまでつけていた60W裸電球)
先日息子から誕生日祝いにLED電球をもらった。工房の方はまだ一部昔の電球のところがあり、早速灯してみた。これまでの60Wの裸電球より幾分明るいいい感じ。これで8Wというのはうれしい。LEDは耐久性があるというので長年使えば初期 投資も浮き、結果的にはエコノミーという。この耐久性については、これまで???のケースも体験しているのでなんともいえませんが、今回は得意の hardoffでの掘り出し物だというので結果的にはきっとエコノミーなのでしょう。


なお今回の誕生日プレゼント?のメインはソーラー発電利用でギャラリーの照明のLED化を進めてくれたこと。現状は真ん中にシャープのLEDシーリングライトと100VのLEDが2つ、周りにダイクロハロゲン17個。今回真ん中は現状維持で、ハロゲンランプの方を全部12V系のLEDに変更した。これまで1個40Wくらいだったので、それが1個3Wに!17個なので、かなり省エネといいますか、ソーラー電力に繋いだので基本ほぼタダ!なにより冬場、暖房のヒーター併用時にブレーカーがとぶ不安がなくなるのが一番うれしい。
 工事はそこそこ大変だったのではと思うが 「趣味だから」と楽しんでいる息子に「次は雨水利用」と催促されている。僕らの時代とは違う「純粋なECO」世代を感じる。

総LED化したギャラリー、しっとり優しい雰囲気になった。

LEDランプは一個1000円くらいで初期投資はそこそこかかったし(4年前よりはずいぶん安くなったが)、「まだ使えるダイクロハロゲンランプはどうするの?」とけちな話はしないことにした。