2009/10/03

アリ型端ばめ・・・木工の醍醐味

クルミで1800×900サイズの座卓兼用テーブルを作っています。天板は下側に「吸い付き桟」をつける方法ではなくて、「端ばめ」工法でフルフラットにして脚を置く位置の自由度や両面使いができる天板にしました。「端ばめ」は天板の反りを防ぐために天板と直角方向に板をはめ込む方法で、いくつかやり方がありますが、いずれも加工に手間がかかり、どの方法にしようかと迷います。今回は天板が目標より気持ち厚く40ミリに仕上がったこともあり、アリ型端ばめに久しぶりに挑戦しました。アリ型ほぞのオスとメスに同じ勾配をつけて、叩き込んでいくほどに締まっていくというのが理想です。接着剤は端っこだけ使って板が乾燥していくうちに締まっていくというのもあこがれますが、きつすぎず、ゆるすぎず、且つ目地が出ないように仕込めるかどうかがポイントになります。まずは天板側のオスのアリ加工が勝負で、ここで失敗すると辛いものがあります。フェリザッティのルータのおかげでなんとかうまくいきました。微調整がし易いのと、静粛性が緊張をほぐしてくれました。端ばめの方は、もし失敗しても材料的には余裕があるので気持ち安心です。失敗してもカットできるように広い幅のものを用意して挑みましたが、なんどか調整してうまくいってしまいました。幅をカットするのももったいないので、結局、長さは1900弱と余裕で、耳つきもそのまま使った仕上げました。
さて我が家のチェリーの座卓兼用テーブルも厚みが40ミリでアリ型端ばめです。12、3年間、使っていますが今のところびくともしていませんが、15、6年前に作ったコタツテーブルのアリ型端ばめの天板。こちらは緩んで一部割れてしまいました。(涙)厚みが30ミリ程度だとアリ型はきついかな?やや柔らかめのクルミだったからかな?加工精度が良くなかったのか?そもそものオスとメスの位置はどちらがいいの?などいろいろ考えさせられました。加工のし易さや原板の状態にも左右され一概には言えないとはおもいますが、現在コタツテーブルの天板の端ばめは「本ざね」と「ドミノジョイント」を併用した方法を考案してその方が安心なのですが、でもやっぱり「アリ型」はなんともかっこよく木工の醍醐味・・加工は難しいけれど、材材的には短い板で長い天板が作れるので有利なこともあり、便利な道具たちに感謝しながら今後もトライしていこうと思います。

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