2012/05/30

時代屋の女房

 ゆうべBSで懐かしそうな映画をやっていた。骨董品の安さんを演じる若い渡瀬恒彦や津川雅彦、今は亡き名古屋章、大阪志郎さんの顔ぶれも懐かしいのですが、なんといっても夏目雅子のなんともキュートな色っぽさに魅いってしまった。83年製作といえば僕は25歳かあ。ちなみに夏目雅子ちゃんとは同い年。TVで見た孫悟空役が強烈な想い出で、この映画はリアルタイムで観なかったのは残念だけど、こーして初めて見るのもまた楽しからずやということで。いやー昔の映画はいいですね。 
 職業柄、骨董家具にどうしても目がいきますが、ダットラの荷台で回収の呼びかけをしている可愛いシーンは、ハイエースの荷台で、荷造りしてくれている家具屋の女房と重なったりもします・・・・。

 さてこの写真は自動鉋盤の刃を交換しているところで、映画とは関係ありませんが、私が着ているチョッキが83年ごろに購入したものでシェラデザイン製。骨董品にはなりそうもありませんが、30年の懐かしさは伝えてくれています。前面はボロボロになり、毎年今年こそ思いきって捨てよう!おもっているのですが、こうした作業の時には結構重宝なのです。昔の物は縫製が丈夫!
 さてさて、機械の刃物は、使っていると切れなくなっていきますので、研磨して交換するのですが、そのタイミングが結構難しい。研磨にお金がかかることや、調整に時間がかかることもあるのですが、せっかく交換しても、削る材が荒れていたら、すぐに刃を傷めることになるので、刃の交換後は絶対に逆目が出て欲しくないような板や、仕上げとして削りたい板が出たときになります。しかし交換する前には、逆に多少刃を痛めてもいいような粗削りをガンガンやりたいので、肝心な仕上げの仕事は置いといて、次の仕事の準備をすることになります。でもこれが欲がでて、あれもこれもと荒削りを楽しむことになってします。今回は机やテーブル天板用の板をあれこれ削って、その中から、椅子の脚や座板の板を確保して・・・3日も4日かけてしまいます。でも次の製作の材が、この段階で確保できるということが、大きな安心に繋がり、大好きな一時です。
 下の写真はラダーバックチェアー10脚分のクルミ材を荒木取りした様子です。気持ち的には一安心というところです。

2012/05/12

サクラの丸太パズル

 3年前に製材して、人工乾燥した後、工房の梁の上にずっと置いていたサクラの原板。ようやく使いたくなって、一昨日かみさんに手伝ってもらって梁から下ろした。上げるのは一人でやったけど、下ろすのはちょっと・・・いうことで助かりました。次の日、元の丸太に戻してみたのが上の写真。こちらは一人で作業したが、製材の前に木口に「大橋」印やカラースプレーで色分けをしていたので、木目と色のラインが合致した瞬間は、ジャジャジャ~ンと拍手喝采。一人で味合うのはもったいない、楽しい楽しい丸太のパズル。

 丸太の製材方法はいろんなやり方があります。使用目的や、丸太の状態によりその都度判断していきます。サクラは、通常は「ダラ引き」といって、そのまま順にスライスすることが多いです。そうしますと両側に耳のついた板になりますが、今回は「幅詰め」といって、予め幅を決めて、まず両側をカットする方法をとりました。
 右の丸太(A)は幅240ミリ厚み35ミリで、すっきり前面ストレートの机の天板用です。
 幅詰の製材では、カットする位置を見誤ると、木目が流れたり、節がたくさん出たりして思った板がとれなくて泣いたこともありましたが、今回はまずまずのようです。難しさはありますが、やり直せないのでなんともいえませんが、目的がはっきりしているので、迷いも少なく、矧ぎ合わせの時に気持よく使えて、また両側の切落しから取れる材はこの部分は耳付きで使えますのです、ボーナスのような得した気分になります。
 左の丸太(B)はやや厚くして38ミリ、幅は310ミリで。元々曲がりがあったので、片側に耳が残る板がいくつかとれて、3枚矧ぎで、両側に少し耳を残したすっきりテーブル用に。と夢が広がります。
 いずれも芯のところと残り一部を今回は18ミリ厚でひきました。この薄い厚みは普通流通していないので結構重宝します。
 このように丸太からの購入では自分の好きなように製材できるので楽しいのですが、丸太の素性の見分けから始まって、製材・乾燥とそれぞれの工程でリスクや時間を伴いますので、決して効率が良いとはいえません。しかし、この丸太パズルの楽しみがあると思うと・・・またやりたくなります。もう趣味の領域かもしれません。
 さーて!どの板をどうカットしていくか、ここから家具製作の木取りとの格闘が始まるのです・・・




2012/05/01

一気に来た

今年の春はちょっと変だ。スイセンとチューリップ、ウメとサクラとみんな一気に来た。畑は草防止と土質改善を兼ねてなんどか鉋屑を燃やしてきた。無農薬は当たり前で、無除草、不耕起が究極の理想だけれど、その基本姿勢は実はめんどくさい!からなので、結局いい加減なことをして、また今年もこの季節を迎えてしまった。工房の前のMさんおばちゃんは「大橋さんところは、木くずたいて、消毒してるから良い野菜ができるわ」とお世辞をいってくれるけれど。このままで苗を植える勇気はさすがにないので、やっぱりちょっと耕すことになる。まあ違う汗をかくのもいいかと昨日ちょっと頑張った。

キヌサヤの手に、剪定した枝をさしてみた。サクラの枝は5分咲になって、キヌサヤさん喜ぶかな。

2012/04/28

展示ルームにも春が来た

展示ルームに念願のスピーカーをようやくつけた。かねてより用意してくれていたわけありのエレクトロボイスのEVsx80。(長男がこの2月に札幌にいる次男といっしょに流氷を見に行った時にわざわざ札幌のハードオフで購入したものを、私が先日の小樽行きのときに持ち帰ってきたという単にそれだけのことですが・・・)
昨夜、居間で37年間使ってきたビクターSX3と聴き比べをした時には、これまで聴いていた音とは別者の感激があったけれど、展示ルームのコンクリ壁は予想どうり響きすぎてその性能が発揮できないようだ。でも接客中のBGM用として音量を下げて聞くには、ちょうど良いかな。ツイッターの出口にティッシュが詰めてあるが、会話の邪魔にならないように高音を抑えた方がいいかなということらしい。
 今回はコンクリートの天井に穴を開ける仕事だったので、ついでに私の念願のピクチャーレール工事もして、響きを少なくするために?さっそく壁にいろいろ吊るしてみた。実は慣れないコンクリートの穴あけ作業で不具な左手をかばって右腕がかなり疲れてしまったこともあり、今日は、一日CDやWINAMPを聞きながら楽しく店番をした。
長男のメインミッションは実はLANケーブルの拡張工事で、床下と天井を這いまわりながら、頑張ってくれた。ようやくなんとか目処がついたようで、展示ルームにもLANケーブルが届いた。ご苦労さんでした。妻ももちろん全部の仕事で活躍してくれていますが、なによりジューンベリーが咲いて喜んでいる。

2012/04/22

お花見

4年生になるお嬢さんの机です。お母様からは「節がこの辺にあるところの板を使って、そこにお花の埋木をしほしいな」というおおらかな?ご依頼でした。節はこれまでも結構使ってきましたが、さすがにこのレベルの乾燥割れの部分は通常の机ではカットでしょうか。でも今回は耳付きで共木の2枚矧で、是非この板を使いたかったので、割れのところも使わざるおえませんでした。節のところだけでなく割れのところも「お花」で・・・とアイデアが浮かびました。どこにどんなお花を咲かせるか?実際には結構悩みました。天板として割れをカットしなくてすむ分、材料的にはもちろん節約になりますが、埋木するのにかかった労力はそれを遙かに超えてしまうのでちょっと複雑な気もするのですが・・でもおかげさまで、これまでにない楽しい天板になりました。昨日この机を納品して(長野市内)喜んでいただいて、ほっとしたところです。ほっとしたといえは満開中の長野市内のサクラ。今日の強風でちっちゃうかと心配したけれど、なんの結構大丈夫。

2012/04/15

小樽観光

小樽は机の配達、札幌では息子の引越しというミッションがあり、新日本海フェリーで、新潟小樽往復と小樽のホテル一泊のセットになった格安のプランがあったので、4月6日~9日の日程で行ってきた。これまでフェリーの乗降などで4,5度、小樽の地を踏んではいるが、ゆっくり観光したことはなかった。今回は丸一日時間がとれたので、ウオークラリー的に観てきた。有名な石レンガ造りの建物群はそれは見事であったが、その中でも小樽運河博物館が歴史の勉強にもなり結構楽しかった。昔の人がどのように火を起こしたのか、いつも不思議でならないのですが、「ひきりぎね」をぐるぐる回して発火温度の440度まで上げるという疑似体験するコーナーがあり、その道具の差や、樹種の差を比べられるところが面白かった。クルミかウツギかヒノキかどれが火がつきやすいか?という設問です。木に携わる者としては、やる前に正解を答えねばとおもったが、ウツギ?がピントこない。多分針葉樹のひのきを答えてしまいそうだが、そこはマニアックなウツギでしょう!と考えてしまう悲しい嵯峨?(ちょっと大げさ)悲しいといえば・・・


実は私、先月末に、久しぶりに指にちょっとした怪我をしてしまい、残念ながら、火おこしの体験できずにこうしてワインはなんとか飲めるぐらいしか役にたてずにいるのでした(小樽BAINにて)

2012/03/16

ゲレンデ初スキー

2泊3日で長男が帰って来た。一昨日の雪と今日の晴天。仕事もあるけど、これはがんばって今シーズン初スキー(ゲレンデ)でしょう。ということでナヤバスキー場に半日出かけた。眼前に青木湖と後立山連邦がひろがる風景を堪能した。帰りにぽかぽかランドで温泉とお昼をして、いざ工房へ、おかげでいいお仕事ができました。

2012/03/12

3月11日

工房に朝陽がさした時は気持ちがいい。昨夜、鉋をかけた跡も、仕上げた様子も、散らかっているのも、良いも悪いもよく見えて。一歩一歩、ひとつずつできることから頑張るしか無い。

2012/03/05

啓蟄

小川村の工房は昨夜少し雪が降ったみたいで昨日より白いところが増えている。虫さんは、お休みだな。僕ももうひと頑張りしたら、ちょっと縄跳びでもして帰ろ。

2012/03/04

初ドラム缶風呂

寒い寒い2月もようやく終わり、昨日は今年初のドラム缶風呂にトライした。家具端材の薪は底をつき、秋に剪定された柿の枝を燃やした。雪の下で湿っていて、沸くのに2時間ほどかかってしまったが、久々の煙にまかれてのお風呂は冷え切った疲れた体をほぐしてくれた。雪が解ければ解けたでまた泥々との戦いも始まる。あ~~。
明日は啓蟄とのこと。虫の気持ちと同じですな。

2012/02/19

マーブルメープル

何度か紹介しました大木一枚板のメープルは通常の白っぽいメープルとは似ても似つかないこの迫力・・・なんとなく大理石の風格を感じるので「マーブルメープル」というのはどうでしょうか。検索してみると、そんな表現のメープルは無いようで・・・「メープル・マーブルシフォンケーキ」がヒットしました。確かに甘いシロップの香り漂うケーキのようでもある。

2012/02/11

木取り

どんな材を使うかという「木取り」はその作品の個性に大きく影響します。写真はこれから製作する幾つかの机に必要な構造材を木取りした様子です。必要なサイズや風合いにあった材を準備するのはこだわりだすときりがないところもあり、結構時間がかかるのですが、「この材しかない」というジャストなのものが見つかったときには、材もありがとう!と喜んでいる気がしてなんとも嬉しい。これからさらにきちっとした寸法に仕上げて、加工して作っていくのですけれど、まずこの木取りができれば一安心なのです。

2012/02/04

初スキー

陽が少し射したのでスキーで散歩にでかけた。雪はいろいろ大変だけど、スキーを履くと気分一新!毎日やればいいのだけれど、なかなかその余裕がない・・・今年こそもうちょっとやろな。
解体する前に屋根も雪下ろしをしていた。雪が積もったままでは、後が大変だわな。

2012/02/02

寒中御見舞申し上げます。

寒い日が続いています。積雪は北部の豪雪地帯に比べれば可愛いもんで、小川村の工房の周りで40センチくらいです。過去にもっとたくさん降った記憶もあるので、今のところまだ助かっています。実は下から上がって来る道が先週から工事で、1週間で終わるということだったのに、この雪で休工になり、通行止めが続いていて困っています。昨日上からの道が、全く除雪していなかったので、よそ見をした隙にドスンと車を溝に落としてしまった。工房に行けば、いろいろ補助具があるだけに悪戦苦闘すること1時間、結局ギブアップ。ちょうど、上のお宅を解体しに来ていた業者の兄ちゃんが見かねてユンボーでひっぱってくれた。そもそも「家の解体はどれくらい進んでいるのかな」とよそ見をしたのがいけなかったのですが、そのお陰で助かったというお話。工房の車庫の壁はオープンなので吹雪くと中まで雪が入ってきて、一旦入った雪はなかなか融けないの困る。今年はまだそんなに風も強くなくこちらも助かっています。今日は”壁”として立てかけてある原板の整理をした。ちょっとした木のパズルで大好きな仕事で、腕力はそこそこ使いますが、汗をかくほどではなく、体が冷えてくると、雪かきをして気分転換する。今日は少し晴れ間も覗いてきたので、工房と母屋の屋根の雪下ろしをした。庇の部分だけですが、スコップで押すと、表層雪崩的に落ちていく。こんなのが大きなところで起きると怖いなあと、雪の事故が少しでも起きませんようにと祈りました。

2012/01/13

職人


朝ドラのカーネーションで男の縫製職人さんが度々それもおしゃれに出てくる。亡き親父も戦後の大阪でメリヤスの縫製を始めたので、時期が重なりちょっと感慨深いものがある。今私は家具職人。昨年の8月20日にブログで紹介したメープルの一枚板の机が漸く形になった。
 足ぶみの昔のミシンのは全身運動で特に足のツボも刺激できて体によさそう。昔の機械はいいなあ。

2012/01/10

ヨガ始めました


今日久しぶりにヨガ教室に参加した。3年前に一年間週一の教室に通って、「日常の仕事の動きにヨガを取り入れる」を会得したつもりだったけど、昨年は一年間村内のプールでちょっとは体を動かしたはずだったけど、やっぱり長年の悪い癖は直せないようで、脚力ガタ落ち、肩こりこり。
さて今年こそと心機一転。今度の教室は月2で3ヶ月間のコース(長野市安茂里公民館でなんと無料)だけど、今日の初日は久しぶりに自分の体を見つめるいいヒントを与えてくれて、早速昼からの仕事に取り入れた
写真は今制作中の机の吸い付き桟に脚を組み入れている所。(写真はやらせ感満点ですが・・・)いつもついつい力でねじ伏せてしまいますが、複式呼吸でリラックスしながら、集中して、丹田や仙骨を意識して、すべての作業が体にいい事だと思えるように、プラス思考で、前向きに、楽しくそんなふうに私はなりたい。

2012/01/07

明けましておめでとうございます。

新年あけましておめでとうございます。
今年もグルッペは家族の協力のもと、いい世の中になりますようにと願って頑張ります。
本年もどうぞよろしくお願いします。自宅展示ルーム前にて、家族記念写真。

2011/12/30

にわか床の間

我が家には和室は一部屋しかなく、しかも床の間なし。その和室は日頃は展示ルームとして使っているのでごろっと寝転びくつろぐところがない。でも正月の儀式はやはり和室でと思っているので、どうしたものか。あれこれ悩んだが、ついになんとかしないといけない時期にきてしまった。 そこで「にわか床の間」のスペースを作ることにした。実は中古の「床の間」があったので置いてみた。畳からはみ出て、敷居もまたいで、なんとも微妙だけれど、酒器や掛け軸など置いてみると、思ったよりもなんとかいけそう。実はこの床の間、大阪の実家をリフォームしたときに取っておいたもので、親父が家を建てた時の祖父からの贈り物。昭和28年11月14日贈呈と書いてある。そんな良いものではないが、昔の職人さんの手仕事の跡が見える。傷もあちこちいっているが、私の子供時代の家族の歴史がこもっている想い出のものなので、いつかリユースしようと取っておいた。こんなかたちで使うとは思っていなかったけれど、床の間のないお宅にちょっとした「にわか床の間」をこしらえるというニーズはあるかもしれないと思わぬヒントをいただいた。亡き両親もきっと微笑んでくれているだろうと思う。

2011/12/26

ホワイトクリスマス

 クリスマスは長野市はうっすら雪化粧。今朝小川村の工房は積雪25センチで、今シーズン初めての雪かきになりました。
 
 一階展示ルームのドア。「下半分もガラスにしたほうがいいよ。」知り合いのガラス屋さん(THプランニング原島さん)にアドバイスいただきました。私もその方が、中が丸見えで楽しいかなと思っていたので、早速やってもらいました。なかなかいい感じ。これでなんとか「展示ルーム」から「ギャラリー」に格上げできるかな。

2011/12/14

ヒッグス粒子


 宇宙の初期の状態においてはすべての素粒子は自由に動きまわることができ質量がなかったが、自発的対称性の破れが生じて真空に相転移が起こり、真空にヒッグス場の真空期待値が生じることによってほとんどの素粒子がそれに当たって抵抗を受けることになったとする。これが素粒子の動きにくさ、すなわち質量となる。質量の大きさとは宇宙全体に広がったヒッグス場と物質との相互作用の強さであり、ヒッグス場というプールの中に物質が沈んでいるから質量を獲得できると見なすのである。光子はヒッグス場からの抵抗を受けないため相転移後の宇宙でも自由に動きまわることができ質量がゼロであると考える。(ウィキペディアより)
 なんのこっちゃ!と窓を眺めると、朝日と雲の織り成す芸術作品が目に入った。この世界の現象ならなんとか理解はできるが・・・。