2014/09/27

新しい機械がやって来た

機械屋さんが来るたびに「こんなのが欲しいのだけれど・・・」と構想を練れども、これまで自作の治具や人力でなんとかやってきた苦節20年。ちょっと体力も落ちてきて、あと20年は仕事を続けるにあたって「今でしょ」というタイミングで、思い切って特注で作ってもらった。


「手動ランニングプレーナー」
 大きな装置になっていますが、要はハンドルーターをXYZ軸に安全にかつ精度よく使い勝手よく動かせる為の装置です。
最初は極シンプルでいいと思っていたけれど、こんなこともできたらいい、大きさも「大は小を兼ねるか」とか要望が増えて、かなり立派なものになった。



水平がまず命。大面積の平面を得たことだけでも、うれしい。



早速、まず削ろうと思っていた仕事にとりかかった。
長さ3m弱のサクラの原板、今回2枚を使って長さ2m70の天板を作る。
長い板で結構、反りと捻じれがあると、これを最低限のロスで上手く接ぎ合わせるには
かなりの根性がいる仕事だ。この機会を待ちに待っていた。



板がどれくらい捻れているかがすぐにわかり、それだけでもうれしい。この装置の実用切削長さは2m50なので、その長さを超えた板をどのように削るかは工夫がいる。その見極めも初削でしたかった。


まずは削れるところは削って。今回奥行きは2枚分一緒に削れる余裕なので、両者の様子が一目でわかりうれしい。奥は反りは少ないが、もともとやや薄いので削れるところが少ない。こともすぐに分かる。少しずつ削って、手前はほぼ平面がでたところ。

メジャで測ると、2m58まで削れている。削れないところをみると・・・こんなに削ったんだと、しっかり認識できる。ことも次のアクションの目安になる。

裏返しにして、同じように削ったあと、表面の削れなかったところを枕木の間にずらして削ると長い材もだいたいほぼ面一に削れた。予想どうりで、よしよし。




また最後に表にして最初の削れなかったところを仕上げる。片面がほほ平面がでているので安心。しめしめ。


今回は幅が60センチ以下なので、より平面に削れた面を下にして自動鉋にかけた。目標の厚みは35ミリなので、もうここまでくれば、なんとか行きそうでホット一息。

 そしてもう一枚も削って、2枚の板を35ミリの板厚まで削って同じ厚みに揃えた。所要時間は、100Vの機械なので連続運転はできないこともあり、検討や休憩を入れてざっと4時間。これをこれまでの人力電動カンナとルーターでやっていたら、疲れるので2日はかかったかもしれないし、厚みはもっとロスしただろし、 こんなに綺麗な平面は得られなかったことであろう。この日の仕事だけでも大助かりである。

 削りたい板は山ほどあるし、
ルーターを使ったいろんな仕事ができる可能性を秘めたワクワクさせる機械である。

☆削れる大きさ:長さ2500奥行き1200(奥行き1500まで載ります!)
☆製作:西野木工機製作所(上田市)

2014/09/15

にわかスサマジー

庭の蚊が凄まじい
空き地の秋の暴れ蚊

昼間は小さい蚊が、夕方からは大きい蚊が
神経集中して仕事している時に、プ~んとくると
体育会系必殺パチンが優先になる。
 なんとなく微熱っぽく、薄ら頭痛いのは、デング熱ではないだろうけど、
3匹も4匹も一度にまとわれると、恐怖を感じる。
アレルギー的反応かも

ところで雑草を刈ったら、シソ畑が現れた。シソの葉の保存方法はないのだろうか。

工房のブランコの支えの丸太は17年ほど雨ざらしの状態で、 5年ほど前に交換した。
その古い丸太を今日挽き割って角材にした。
もうすぐ搬入される、特注の木工機械「ランニングプレーナー」の枕木にするために。
多少老けているけれど、まだ使えるぞ。

 昨夜はDVDで「最強のふたり」を見た。
原題は「UNTOUCHABLE」 はそういう意味も含んでいるねんね。
今日はTVのNHKスペシャルで立花隆の「臨死体験」を見た。
人生いろいろ考えさせられますな。
老けていっても、人生ますます、幸せになれるようにしたいものだ。
一皮向けば、新しい面がでてくる古木のように。



2014/09/01

にわかスタジオ

 以前住んでいた栗田の時に使っていた長物ロールペーパーを今の自宅にもようやく垂らすことができた。栗田の時は庭だったので、庭かスタジオ!で雨の日は☓、また日が照ると影ができすぎて△でタイミングがむずかしかったが、今度は屋根があるので安心。

  居間で使っているお気に入りのギャッベを下に敷いてみた。

10月の吉祥寺東急店のDM用写真の準備で・・・




 シンプルデスク・・・
 子供大きくなり結婚したら・・・二人のダイニングテーブルとして・・・のための写真。前々から撮り  たかったのでようやく実現。





 撮り会えず以上ですが、トップのライティングが欲しいです。ギャッペは掃除ができて良いようです。











2014/08/26

白い家具

 白が基調のお部屋にダイニングテーブルセットを作っている。材はイタヤカエデ。今月はじめにテーブルと収納付きベンチを収めて、その時間に合わなかった残りの椅子2脚がようやく完成した。

脚はイタヤカエデ、座板は針葉樹の赤蝦夷松。
脚は堅いカエデでしっかり安心で、座面はお尻にやさしい針葉樹。理にかなっていると思う。
色合いはどうかとい うと、オイルを塗ると、それぞれの色が深まり・・・イタヤは本来素地は白いのだけれど、かなり濃くなる部分も表れ、白いかどう かかなり微妙・・・。
赤蝦夷はカエデより黄色っぽい。なにわともあれ、一枚板の風格と松の優しさが伝わって気持ちいい。



追加写真。8/29

先に納めたテーブルとベンチ。こちらのほうが白っぽく見える。色の話は難しい。

2014/08/14

お盆枝豆LED

お盆。我が家では、特にご先祖様を供養する行事の習慣はないのだけれど、工房のある村の集落では、さすがにこの時期、機械を動かしてうるさくするのは、ちょっと迷惑かなと思い、今日明日くらいは自宅でおとなしく、故人を偲びながら、溜まっているデスクワークをしようと思っている。



息子や娘もそれぞれちょこちょこ帰ってくるので、採りたての枝豆を食べさせようと、工房帰りに畑に寄る。と、この状態。 肥料不足や草に負けて、毎年情けないくらいの枝豆ですが、採りたての香りだけは夏の想い出にかかせない。
 

長男が昨日、自宅ギャラリーに細長いLEDの補助光を2本つけてくれた。(1本500円ちょっとらしい。なんでそんなに安いの!)でもなかなか感じがいいので、あと4本くらいは付けたいということで、またいつか帰ってくる用事を作って今日東京に帰っていった。







2014/08/01

されど端材

この夏は工作キット類と工作応援端材の注文がうれしい悲鳴を上げている。特に、端材の方は、本来家具の製作で出る端材をお分けしているが、特に細かいサイズのものが、全然足らなくなり、端材を作るために頑張って家具を作っている感じの本末転倒状態。赤信号も点灯している。比較的大きな端材をさらに細かくカットしたりして、これは結構気を使い、一体私は何をしているのだろうという瞬間もある。でもお客さまがそれぞれの思いで、端材に新たな命を吹き込んでくれることはうれしいことだと思いなんとか頑張っている。



先日あるお客さまから「木のサンプルミニ12種」のご注文いただいた。電話だったので、伺ってみると、お子様は小学3年生で、木に興味があるので、自由研究の一助にしたいという。なんとうれしいことだろうっと、そこでちょっとひらめいた。私の工作用の端材も同時に注文してもらい、木のサンプルをもとに、木っ端の樹種を分類してみるのはどうかっと。
同じ樹種でもいろんな風合いがあり、木のサンプルミニから類推することは容易ではない。そこを五感を研ぎ澄ませて、感じてみる。正解は学校の先生もきっとお手上げだから、気にしなくていい。



賛同頂いたのがこのセット。通常は工作用として詰めるが、今回は樹種を意識して詰めた。サンプルにない、桐や楡がダミーとして意地悪に入れてある。
ちなみにサンプルセットが700円で、端材2キロセットが1000円この価格の差はどうかって思ったりもするが、総額でこのくらいで、ひょっとすれば、お子さんの人生も変わるかもしれない。と思うと、たかが端材。されど端材なのである。

2014/07/11

机展の様子

 今回の机展、 当初は「机予約セール」的な目的もあったが、在庫の机が、いろんな樹種が揃った状況でもあったので、「いろんな木de机」と題して、木の話やその机の製作の思いなどを、ブログ的に綴り、 ちょっと展覧会的にやってみようと思った。はじめての場所でもあり、様子もよくわかならく、様子見的な感じもあり準備はそこそこな状況でしたがが、昨日無事搬入が終わって、意外になんとかカッコつきそうで、とりあえずはホッと。

それぞれの樹種での作品をまとめて展示して、その樹種で作った額や、うんちくを書いたA3の資料を壁に貼り付けるかたちを考えました。 うんちく 一覧です。(達成率6割・・・)

①ご挨拶
②木の話
③グルッペの机
④個性あふれるサクラ
⑤イタヤカエデ~白さの秘密~
⑥北海道産ミズナラ~樹齢350年の重み~
⑦ブラックウォールナットの魅力
⑧チェリー 杢々3枚矧 384分の1
⑨クルミの話
⑩キハダの話
⑪カエデとメープル
⑫国産材とアメリカ材。。。。などなど

今はパソコンで作った資料をセブン-イレブンでA3カラー出力できるので、こうして、出張先でもパソコンをいじって、仕事をしてしまう。便利なようで、なんといいますか。でも一枚80円でA3のポスターもとりあえず出来てしまうのはやっぱり助かります。



では今日からはじまります。楽しみます。近くにおいでの際には是非寄ってやってください。





2014/06/18

サクラの個性3

またサクラの話ですが・・・・。
耳付きのサクラらしい机ということで3台作りました。サイズは幅1000×奥行き600前後(高さは700)です。サクラでもこんなに違うの?というのを楽しんで頂きながら、私はこれかなっ!という出会いがあれば最高かなっと。

一台目・・・

 2台目・・・
 3台目・・・

◎いずれも天板耳の状態は美しく、抽斗の前板はその風合いに合わせてコーディネートしました!
7月の机展に持って行こうかとおもいますが、多分どれか一台しか持っていけなさそうで、残りは天板だけの展示の予定です。※またこれとは感じの違うサクラの机をHPの机展の案内のところに掲載しましたので、こちらもご覧ください。http://www.woodgruppe.com/event/exhibition/index.html

みなさんはどれがお好みですか?ご希望お聞かせください。

2014/06/12

杢々チェリーの机完成記念!

  杢々チェリーの机完成記念に、チェリーについて日本のサクラと比較してちょっとまとめてみました。
 
 サクラの英名はチェリー。言葉では同じ意味を指すが、樹木としては、私の出会いの中では明らかに異なる。立ち姿は残念ながら見たこと無いが(いつかアメリカにいって見てみたい!)、貯木場に横たわる丸太は何度か目にしている。


 一見してサクラっぽくない。チェリーの方がちょっと黒っぽい感じのするものや、ゴワゴワ感も大きな感じのものが多く、サクラの革細工に使うような横縞の樹皮はチェリーでは見たことが無い。ただ樹皮の様子は成長によって変わってくるらしく、サクラも老木になるに連れてゴワゴワタイプに変わっていく。チェリーも図鑑などでは縞々のものも目にする。輸入されるチェリーの丸太はある程度の樹齢のものが入ってくるので、そうなのかもしれない。ただ切り口の断面はチェリーの方が明らかに赤っぽく濃い物が多い。真っ赤なサクランボに対して、ワインレッドのアメリカンチェリーの黒っぽい実の差はありそう。
 
 材木としては、日本のサクラが個性豊かでいろんな風合いがあることを先日書きました。チェリーはサクラほど多くの本数を製材していないけれど、どうもサクラほどの風合いの違いはないように思う。もちろん一本一本みな違うことは違う。
 
 板にすれば、サクラと区別がつかないものもあるが、全体的にはやはり、ピンクっぽい。また経時でかなりワインレッドくらい深まるものもあるが、サクラでそこまで濃くなるものは見たこと無い。あとチェリーにはガミと呼ばれる独特の黒い筋(樹脂痕)がよく現れるが、サクラにはまず無い。(斑点ででることはある。)

 さてそんな中、次の写真は今回使った杢々チェリーの丸太。もう8年も前のことなので、その時の記憶はだいぶ薄れているが、樹形は、以外に?真直ぐで波々とうねっているわけではない。でも樹皮はよーく触ると細かく波打っている感じはあった。でもその時はまさかここまで波々だとは予想しなかったので製材時に感激したものだ。ところでなぜこんな模様になるのだろう?
波々のチェリーの丸太。外見では並々?(2006年撮影)

次の写真は1年後(2007年)、製材乾燥が終わり、工房に運んだ時の板の様子。
製材後乾燥上がった波々チェリーの一部(2007年撮影)


 原板の様子(上段の2枚)からも全面杢々なのがわかる。日本のサクラではこんなの見たこと無い。(ミズナラでは見たことがある。)さざ波のように波々なので、波状杢というようである。いずれにしても並々ではなくちょっと貴重なことは確か。
そして、やっとのこと7年の歳月を経て(あんまりこの時間に意味はない・・・ちょうど両親が亡くなった年ではあるくらいで)・・・・ このたびようやく総杢々チェリーの机が完成したのでありました。


1月時のブログでこの板を使った天板の板矧ぎのことを書きましたので是非参考にしてください。
http://gruppe-haku.blogspot.jp/2014/01/blog-post_28.html
構造材も全部チェリー、抽斗の側板も底板にも杢々板をふんだんに使いました。ちょっとやりすぎたかな。


かみさんにドヤ顔でお披露目すると・・・「わ~すごい!でも机としてはちょっと落ち着かない???」ってそっ、そんな~~!・・・机展にもってけますので。お楽しみに。

ところで今日サクランボを少し収穫しました。
甘酸っぱい薫りに包まれて、2014年6月11日撮影
 サクランボもアメリカンチェリーも実のなる木は、家具にする木とは残念ながら種類が違うようです。
いろいろ奥は深いですな。






2014/06/07

純粋なECO

  「ECO」にはエコロジーの「エコ」とエコノミーの「エコ」があるとおもいます。双方に効果のある「ECO」だといいのですが、エコノミーであってもエコロジーでないときやその逆もあるかと思います。エコロジーだけれどコストがかかるからエコノミーではない・・・ということはむしろ多いでしょう。何がどうエコロジーで誰にどうエコノミーなのか。長い目で考えるとややこしい話にもなってきます。
 
 TVなど見ていると、環境問題を語る会議の席などで、昔は湯呑み茶碗で出したであろうお茶がペットボトルになっていると気になってしまう。あれはエコなんでしょうかね。

 LED電球は省エネだし耐久性もあるからこれからは当然LEDでしょ!という考えはよく分かる。でも、LEDは単価が高く、最初の出費が痛いので、今使っているのが切れたたところでLEDを考えたらという煮え切らない自分もいます。たいしたECO派ではないのは確かで、どちらかと言えば「ケチ的エコ派」?良く言えば「もったいない的エコ派」でしょうか。

工房のくつろぎスペースのペンダントをLED電球に。(真ん中はこれまでつけていた60W裸電球)
先日息子から誕生日祝いにLED電球をもらった。工房の方はまだ一部昔の電球のところがあり、早速灯してみた。これまでの60Wの裸電球より幾分明るいいい感じ。これで8Wというのはうれしい。LEDは耐久性があるというので長年使えば初期 投資も浮き、結果的にはエコノミーという。この耐久性については、これまで???のケースも体験しているのでなんともいえませんが、今回は得意の hardoffでの掘り出し物だというので結果的にはきっとエコノミーなのでしょう。


なお今回の誕生日プレゼント?のメインはソーラー発電利用でギャラリーの照明のLED化を進めてくれたこと。現状は真ん中にシャープのLEDシーリングライトと100VのLEDが2つ、周りにダイクロハロゲン17個。今回真ん中は現状維持で、ハロゲンランプの方を全部12V系のLEDに変更した。これまで1個40Wくらいだったので、それが1個3Wに!17個なので、かなり省エネといいますか、ソーラー電力に繋いだので基本ほぼタダ!なにより冬場、暖房のヒーター併用時にブレーカーがとぶ不安がなくなるのが一番うれしい。
 工事はそこそこ大変だったのではと思うが 「趣味だから」と楽しんでいる息子に「次は雨水利用」と催促されている。僕らの時代とは違う「純粋なECO」世代を感じる。

総LED化したギャラリー、しっとり優しい雰囲気になった。

LEDランプは一個1000円くらいで初期投資はそこそこかかったし(4年前よりはずいぶん安くなったが)、「まだ使えるダイクロハロゲンランプはどうするの?」とけちな話はしないことにした。

2014/06/04

サクラの個性2

 長さ1500奥行き500のサクラの耳付きの一枚板。手持ちの材では、なかなかこれっという決定板が見つからない。先週、長野市の鎌倉木材の展示会で、なかなかおもしろそうな板をみつけた。長さは2200ほど、手前は乾燥割れが大きく入っていて、そこをカットして、残りでちょうど1500をキープできそう。白太が厚そうで、節もあり、ワイルドんな感じですが、耳のラインのおもしろさと、サイズがジャストということで、一枚買いした。


 昨日板が届いたので、さっそく、きょう購入したおニューの5本指シューズをはいて、作業にとりかかった。板の捻れが結構あり、やはり格闘技。でも手押し鉋にかからないところは、電動かんなで。吸い付くような大洋の手押しと、忍者気分のシューズが相まって、一気にバッチリいきました。なお原板厚みが50ミリのところ仕上がりで35ミリ。


幅はどこを測るかで数字表現が難しいですが460から500+くらい。
両側とも耳の状態は良いので、このまま両方耳を残してそのまま天板として使っ
てもいいですし、後ろを少しまっすぐカットしてもいいでしょうか。
S字カーブの左手前は少しカットしました。

反対側の耳も美しい



 ということでやはりサクラは個性豊か!
というお話と・・・・新作5本指シューズのお話でした。