2013/07/18

ブックマッチの門戸


 先週、机の納品と次の製作の打ち合わせのため愛媛県の松山市を訪れた。30数年ぶりの四国の地を踏んだこともあり、また松山市が同じ県庁所在地の長野市とは比べ物にならないほど元気一杯の街でちょっと羨ましかったけれど、松山城の門戸の迫力には感激した。本丸大手の重要な固めで、城内でもっとも堅固な建造物に「筒井門」というのがあって、その扉の板戸に使っている板。長さ3メートル幅1.5メートル厚み6センチの楠の一枚板。左右でブックマッチで使っている。すっげー!
 「ブックマッチ」とは厚い板を2枚に挽き割って、それを本を開いたように2枚に矧ぎ合わせてテーブルの天板などに使う手法のことである。家具でも開き扉の鏡板にこのようなブックマッチ的な使い方を好んで用いるので、ジョージナカシマが名付けたブックマッチ以前に、古式ゆかしい呼び方がありそうですね。門マッチ?扉マッチ?だから・・・ゲートマッチ?全然古式くないですな。
 ところでこの門は1600年ごろの築城以来最古の建物のひとつであり、昭和10年に国宝に指定されたが、戦後消失し(なんともったいない!)昭和46年の作とありました。

2013/07/07

森のベラ



無垢の木は同じものが一つと無く、ほんとに様々の色合いや模様が現れ、その自然の個性の表現力に日々感動して楽しませてくれますが、その中でもキハダの色合いはちょっとどきどきする。黄色みを帯びた緑っぽいベースの色合いに、青っぽいスジや気持ち赤っぽいスジが現れるものがあり、お魚のベラの賑やかさに通ずるものを感じて森のベラとしてみた。
 先日コハダの酢漬けを食べた時、魚の名前が思い出せず、キハダだったかなと間違ってしまった。ベラとコハダはだいぶ違うが、もしコハダの色合いがキハダに似ていたら話は近いわけですが、いずれにしても、森の幸と海の幸がいろいろ混じって楽しい言葉遊びで楽しめる。
ベラの色合いはなんとなく妖怪的とも思えるがそれは「ベム、ベラ、ベロ、妖怪人間~」をこじつけたいからで、話はどんどん広がっていく。早く人間になりた~い。