2011/09/02

耳付き板

「耳付き板」と聞くと、パンの耳のように自然の形を残した板のことを思い浮かべます。一般的によく使われている表現で、なんら問題はないのですが、でもよく考えてみると、どこが耳付きなんでしょうかと以前から思っています。そもそも何故パンの耳を「耳」と言うのでしょうか?端っこに出ている部分を「耳」というのは想像がつき、取手としてちょこっと出ている可愛い耳は耳らしいのですが、木材の場合は、個性ありすぎ、多種多様でワイルドすぎで「耳」というのにはふさわしくない様に思えるのですが・・・いかがでしょうか。ではどう言ったらいいのか。本来は「皮付き板」が一番自然なのですが、実際は皮をそのまま残して仕上げるのは通常難しいので、薄皮まで剥いで、一部白太が露出することも多いので、「皮付き板」という表現は実情に合わない。ジョージナカシマは「フリーエッヂ」と言っていますが、「フリー」というと、なんとなく任意で造形したイメージも強よそう感じがする。そこで・・・・「ナチュラルエッヂ」はどうでしょうか。なかなかいいとおもうのですが・・・市民権を得るには難しそうかな。やっぱり「耳付き」にはかなわないか。この板はミズナラの耳付きの柾目板を2枚剥いでこたつ用の天板に仕上げたものです。樹齢250年以上、への字に湾曲した丸太で、褶曲山脈のような複雑な樹皮と木目、風雪にさらされ、色合いの変化(ふけ具合)も超個性的。何年も前からこの凹面を手前にした机を作ってみたいとずっと思っていました。ついに気に入って頂けそうな方との出会いがあり、その時がやってきました。今回のサイズは1200×650~720で細長く、こたつといっても奥は壁につけて、文机的に使います。この木目と同様の板がまだいくつかあります。あなたもどうですか。

・・・その後、こないだの日曜日に無事納品してきました。実際に置く場所はまだ整理中とのこと、でも「こんな感じで使うかな。仕事はかどりそう!」とわざわざ私のブログも開いてレイアウトしてくださった。ありがとうございました。

0 件のコメント: